/

社会保障、鈴木亘氏「第2子・3子出産などに支援集中を」

参議院選挙2022「私の視点」(7)

参院選は7月10日に投開票を迎えます。日経電子版の「Think!」で日々のニュースに解説を投稿している各界エキスパートに注目点を聞きました。7回目のテーマは社会保障。エキスパートは学習院大教授の鈴木亘氏と、ジーンクエスト社長の高橋祥子氏です。

鈴木氏「移民の本格受け入れも必要」

最大の危機は少子化だ。こども家庭庁は施策の一元化や効率化に向けて創設されるもので、少子化対策にはならない。出産育児一時金の増額も、金額が少ないから産めないという話は聞いたことがない。

第2子や3子の出産支援、低所得者といったターゲットを絞った対策が求められる。移民を本格的に受け入れることも必要だろう。

医療や介護は30年後といった将来の姿が見える長期計画をつくることが、持続性を高めるためのスタートになる。将来の姿を見せないと、自己負担を引き上げるのか、保険給付の範囲を狭くするのか、国民的な議論ができない。

物価高対策として打ち出す社会保障施策にも問題がある。年金受給者や生活困窮者への給付金をかかげるが、2%の物価上昇はもともと目指していたものだ。物価が上がったからバラマキというのはどう考えても論理的とは言えない。

出生数の減少を前提にした社会保障を考えなければならない。若いうちに老後の準備をしておくことが重要になる。例えば、NISA(少額投資非課税制度)や私的年金。制度の拡充を議論すべきだ。

鈴木亘さんのThink!解説付き記事を読む

高橋氏「不要なコストをカットし、子どもに投資を」

子どもを産む人や育てる人が増えない限り、日本人はどんどん減り、いずれ消えてしまう危機的な状況だ。核家族化や共働きで「ワンオペ育児」が増えた。夫婦以外の人を育児に巻き込む施策について議論してほしい。

政策の財源についても、あわせて議論していく必要がある。現状の仕組みを保ったままでは財源を捻出するのは難しい。社会保障にかかる不要なコストをカットする。未来の子どものための投資につなげてほしい。

日本は2025年に団塊の世代がすべて75歳以上になり、超高齢化の次のステージに入る。医療費の増大が止まらず、医療保険制度は破綻しかねない。

例えば、透析患者の治療には1人あたり年500万~600万円の医療費がかかる。遺伝子情報を調べて、事前に予防することで発症を5年遅らせられればコストは2500万円減る。

認知症についても、リスクが高い人を事前に特定して必要な人にだけ予防策を打てるようになれば、効率的な医療につながる。予防の仕組みが社会実装されれば、医療費の増大を抑えられる。

高橋祥子さんのThink!解説付き記事を読む

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

参議院選挙2022

2022年夏の参議院選挙(6月22日公示・7月10日投開票)は岸田文雄首相にとって事実上、初めて政権運営の実績が評価される場となりました。開票結果やニュース、解説などをお伝えします。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン