3月の月例報告、生産判断引き下げ 3カ月ぶり下方修正
政府は22日にまとめた3月の月例経済報告で、国内の景気判断を「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」と据え置いた。3カ月連続で同じ表現とした。個別項目では生産の判断を3カ月ぶりに下方修正した。先行きは足元の米欧の金融システム不安などを念頭に「金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」とした。
国内の個別項目をみると、総括判断のもとになる11項目の判断のうちで生産と企業収益を引き下げた。
生産は2022年12月〜23年2月の「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から、「弱含んでいる」に3カ月ぶりに下方修正した。電子部品・デバイスや生産用機械で生産が落ち込んでいる。
企業収益は「総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている」とした。22年6月〜23年2月の「一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善している」から下げた。最新の経済指標で22年10〜12月期の企業の経常利益が8四半期ぶりの前年同期比マイナスになったことを反映した。20年4月以来の下方修正となった。
世界経済に関しては「一部の地域において弱さがみられる」と3カ月連続で同じ判断とした。
ゼロコロナ政策の廃止で消費や生産が回復しつつある中国は「一部に弱さが残るものの、持ち直しの動きがみられる」と上方修正した。ユーロ圏は「持ち直しに足踏みがみられる」と下方修正した。