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貿易赤字最大、円安と共振 中国減速で輸出も鈍く

日本の貿易赤字の拡大に歯止めがかからない。財務省が21日発表した2022年上期(1~6月)の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7兆9241億円の赤字だった。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに液化天然ガス(LNG)などの資源価格が高騰している上に、円安が進んで輸入価格が膨らんだ。

貿易赤字の拡大は日本の国内総生産(GDP)を下押しする要因になる。燃料などの値上がりは企業収益を圧迫し、輸入代金を手当てするための円売り・ドル買いはさらなる円安を招く。輸入品の値上がりによるコスト増が招くインフレは、景気の強い逆風になりかねない。

1~6月の貿易赤字は14年上期の7兆6281億円を上回り、比較可能な1979年以降で半期として最大となった。輸入額は前年同期比37.9%増の53兆8619億円と初めて50兆円を超えた。原油を含む原粗油やLNGは輸入額がほぼ2倍、石炭は3倍超に膨らんだ。

円相場は21年上期に1ドル=107円19銭だったが、22年上期は121円36銭と大幅に円安・ドル高が進んだ。円建て価格で見ると、原粗油は1キロリットルあたり7万5501円と83.0%も上昇した。

輸出の鈍化も影を落とす。1~6月の輸出額は45兆9378億円と前年同期に比べて15.2%増えたが、数量の動きを示す輸出数量指数(2015年=100)は99.7と前年同期を2.0%下回った。円安は輸出を押し上げる効果があるが、半導体などの供給不足もあって思うように伸びていない。

最大の貿易相手国である中国のゼロコロナ政策の影響もある。1~6月の輸出額は自動車が13.8%、エンジンは23.3%それぞれ減った。中国向け全体の輸出額は3.7%増の8兆9238億円だったが、数量は13.4%減った。

貿易赤字は今後も続く可能性がある。6月単月の貿易収支は1兆3838億円の赤字だった。11カ月連続の赤字で、輸入額は10兆122億円と初めて10兆円を超えた。足元で円相場は一時1ドル=139円台まで円安が進み、輸入物価がさらに上昇するおそれがある。

ロシアとの貿易では、6月の原油輸入がゼロになった。これまで毎月数百億円程度あったが、主要7カ国(G7)が輸入禁止で合意し、民間企業の判断で輸入が止まった。

一方で原油に比べて依存度が高い石炭とLNGの輸入は続いている。価格は高止まりし、LNG輸入額は前年比2.2倍の553億円、石炭は65.3%増の389億円だった。

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