アナログ規制撤廃に工程表 23年春、ダム点検にドローン

政府のデジタル臨時行政調査会(臨調)は21日、人による目視や常駐などを義務付ける「アナログ規制」撤廃の工程表をまとめた。2024年6月までに法律や政省令の9669条項を改正する。それぞれの条項について改定の手続きや時期を示した。
川やダムの点検は23年3月までにドローンや水中ロボットを活用できるようにする。従来は河川法に基づき目視が原則だった。通知や通達でデジタル技術を使った点検もできると明確にする。

安全に関する規制は代替する技術の検証を経てなくす。
建設現場などの作業員による巡視を定点カメラに置き換える改正は24年6月を期限に定めた。現在は複数社が同じ場所で作業する場合、統括する事業者の人員が1日1回は見回る必要がある。
政府は23年の通常国会に規制撤廃に関する一括法案を提出する方針だ。書面での掲示を義務付ける情報の通知をインターネットで閲覧可能にするため、60本程度の法律を対象に改正案をつくる。
行政手続きでフロッピーディスクなどの記録媒体を指定して情報提出を求める規制を改める法案も出す。電子申請に統一する「デジタル手続法」の適用範囲を広げ、クラウド経由も認める。
岸田文雄首相は21日のデジタル臨調の会合で「工程表に沿って24年6月までの2年間でアナログ規制を一掃する」と強調した。
政府は21年11月にデジタル臨調を立ち上げデジタル時代にそぐわない規制の廃止を検討してきた。
対面講習や書面掲示なども含め7つのテーマを定め横断的に法令を点検した。管轄する各省庁との折衝を経て今回見直しの期限を定め、区切りをつけた。