トラス英首相「中国が台湾挑発」非難 岸田首相が初会談

【ニューヨーク=秋山裕之】岸田文雄首相は20日午後(日本時間21日未明)、訪問先のニューヨークでトラス英首相と初めて会談した。英首相官邸の発表によると、トラス氏は最近の中国の行動を「台湾への挑発」と非難し、日本への影響も大きいと言及した。中国の脅威にともに対処すると申し合わせた。
両首脳はウクライナ東部・南部で23~27日にロシア編入に向けた住民投票を実施するとの情報が出ていることについて「ウクライナの主権と領土一体性をさらに損ない、断じて受け入れられない」との認識を確かめた。
東シナ海や南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更について深刻な懸念を共有した。日本の外務省は台湾をめぐる意見交換について「東アジア情勢を議論したが、外交上のやりとりなので控える」との説明にとどめた。
会談は65分間だった。岸田首相は英女王エリザベス2世の死去に哀悼の意を表明した。「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分である」と指摘した。ロシアのウクライナ侵攻に国際社会が結束して対応し、対ロ制裁とウクライナ支援の継続が重要であると確認した。
自衛隊の将来戦闘機を巡っては日英での共同開発に向けた協議を加速する方針で一致した。英国の環太平洋経済連携協定(TPP)加入に関しても意見を交わした。