景気「持ち直しの動き」 4月月例報告、上方修正

政府は21日にまとめた4月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を「持ち直しの動きがみられる」に引き上げた。上方修正は2021年12月以来4カ月ぶり。3月まで実施されていた「まん延防止等重点措置」の解除で、外食や旅行などのサービス消費が回復した。景気の先行きは「持ち直していくことが期待される」との判断を据え置いた。
3月の総括判断では景気は「一部に弱さがみられる」だった。4月の個別判断では、個人消費と公共投資の2項目を引き上げた。個人消費は3月の「持ち直しに足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。判断の引き上げは4カ月ぶり。公共投資は公共工事の請負額に底堅い動きが見られることを理由に、20年7月以来1年9カ月ぶりの判断引き上げとなった。
カード支出に基づく消費動向をみると、これまで低調だった外食や旅行、宿泊などのサービス産業で持ち直しの動きが出始めた。交通機関でも回復の動きがでており、JR東海ではゴールデンウイーク(GW、4月28日から5月8日)の新幹線の予約状況が前年と比べ、2倍超に増えた。
先行きへの見方は据え置いた。ウクライナ情勢の不透明感や原材料価格の上昇が懸念材料となる。消費者マインドは物価の上昇を背景に、弱含みの動きも一部に見られており、内閣府は「今後の消費に与える影響には注意が必要」と言及した。
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