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9月消費者物価3.0%上昇 31年ぶり3%台、円安響く

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総務省が21日発表した9月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が102.9となり、前年同月比で3.0%上昇した。消費増税の影響を除くと1991年8月(3.0%)以来、31年1カ月ぶりの上昇率となった。円安や資源高の影響で、食料品やエネルギーといった生活に欠かせない品目の値上がりが続く。

QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(3.0%)と同じだった。上昇は13カ月連続。調査対象の522品目のうち、前年同月に比べて上昇した品目は385、変化なしは46、低下は91だった。上昇品目数は8月の372から増加した。

生鮮食品を含む総合指数は前年同月比3.0%の上昇で、8月と同水準の伸びだった。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は1.8%上がった。

品目別に前年同月と比べた上昇率を見ると、生鮮食品を除く食料は4.6%だった。食料全体では4.2%となった。食パンが14.6%、チョコレートが8.6%と伸びが目立つ。ロシアによるウクライナ侵攻以降、輸送ルートを変えたサケは26.8%だった。円安による輸入コストもかさんでいる。

物価高・値上げを考える

円安や原材料高といった影響は外食にも波及し、ハンバーガーは11.2%だった。生鮮魚介の値上がりで、すしも9.4%となっている。

エネルギー関連の上昇率は16.9%で、8月と同水準だった。電気代が21.5%、都市ガス代が25.5%と引っ張っている。灯油は8月の18.0%を上回る18.4%の上昇率だった。ガソリンも7.0%で、8月の6.9%をわずかに上回った。

家庭用耐久財は11.3%だった。8月の6.3%から伸びが加速し、1975年3月(12.8%)以来、47年6カ月ぶりの上昇率となった。メーカーによる製品のリニューアルで、ルームエアコン(14.4%)などが値上がりした。宿泊料は6.6%で、8月(2.9%)の伸びを上回った。

生鮮食品を含む総合指数で比較すると、他の主要国は日本と比べて高い上昇を続けている。米国は9月に前年同月比で8.2%上がった。8月(8.3%)から低下したものの、高水準の上昇が続く。ユーロ圏は9.9%上がり、9.1%だった8月からインフレが加速した。英国は10.1%上昇で、8月(9.9%)を上回った。

日本経済研究センターが11日にまとめた民間エコノミスト36人の予測平均は、消費者物価指数の上昇率が2022年10~12月期は前年同月比で2.84%となった。23年1~3月期は2.47%と2%台の上昇が続き、同4~6月期は1%台の上昇になるとみる。

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