大企業賃上げ率2.27%、4年ぶりに前年上回る 1次集計
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経団連は20日、2022年の春季労使交渉の1次集計結果を発表した。大手企業の定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は2.27%で、前年より0.45ポイント上昇した。前年を上回るのは18年以来4年ぶりで、下落傾向に歯止めがかかった。一方で新型コロナウイルス禍で業種による格差も目立った。
従業員500人以上の大企業のうち21業種252社を対象に集計した。平均賃上げ幅は7430円で、00年以降では5番目に高かった。業績がコロナ前の水準を回復した企業26社に絞ると賃上げ率は3.02%だった。
今回の春季交渉では岸田文雄首相が3%超の賃上げに期待を示していた。首相は20日に経団連の十倉雅和会長から賃上げ結果の報告を受けて「期待に応えてもらっている。官民連携して賃金引き上げの社会的雰囲気を醸成していく」と述べた。
業種別では14業種のうち12業種が前年を上回った。建設が3.76%で最も高く、鉄鋼(2.98%)、機械金属(2.71%)が続いた。コロナ禍で打撃の大きかった貨物運送(1.28%)や食品(1.87%)など6業種は2%に届かなかった。