官僚の国会答弁づくり、1日平均7時間 内閣人事局
内閣人事局は20日、2022年の臨時国会における官僚の働き方の実態調査を発表した。予算委員会や各府省が所管する委員会で、閣僚らの答弁に用いる資料の作成に要した時間は1日あたり平均7時間に上った。
全府省庁への質問通告を調べ、期間中の総数は864件だった。土日や祝日を挟まない場合、最後の答弁作成に着手した平均時刻は委員会前日の午後8時前ごろ。終了時刻は委員会当日の午前3時前ごろとなった。

国会では各委員会に所属する国会議員が各省庁に事前に質問を伝え、官僚が答弁案を作成するのが一般的だ。通告時間が遅くなればなるほど着手する時間も遅れる。
質問通告が委員会2日前の正午までに届いた事例は全体の19%だったものの、前日の午後6時以降になったケースも6%を占めた。質問の趣旨や詳細を国会議員に問い合わせるヒアリングなどをオンラインで対応する事例は59件と全体のわずか7%にとどまった。
業務効率化のため各府省も工夫を重ねる。デジタル庁は米マイクロソフトの「Teams(チームズ)」で国会議員からの質問ヒアリングの結果などを共有する。答弁作成は関係者が同時に編集し、幹部の決裁もチャット上のやりとりでほぼ完結させているという。
一方、効率化に向けた手順は府省によってはメールや別のアプリを用いるなどばらつきがある実態も明らかになった。
国家公務員の就職人気は低下傾向にある。キャリア官僚試験の受験申込者数は22年度が1万8000人ほどと10年間で3割ほど減った。
河野太郎国家公務員制度相は20日の記者会見で「夜に通告されても勤務時間中には答弁の作成ができない。議論の質を高める意味でも時間が早いのは大事だ」と指摘した。「役所側の効率も大事だ」と効率の良い手法を霞が関全体に広げる意向を示した。