屋外マスク、距離十分なら不要 厚労省の専門家組織
厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織は19日、マスク着用の見直しについて考えをまとめた。屋外で人と十分に距離を確保できるなどリスクが低い場合には、マスクを着ける必要はないとの見解を示した。就学前の児童については一律の着用は求めない。政府は専門家の見解を踏まえ、20日にも政府としての考えを示す。
19日に開いた厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」で資料を示した。屋外でのマスク着用について、散歩やランニング、自転車移動などの場合は「引き続き必要ではないと考えられる」と指摘した。
一方、屋外でも人混みや会話をする場面には「適宜マスクを着用する」とした。多くの人が利用する公共交通機関での通勤・通学時は引き続きマスクを着用するよう促した。
子どものマスク着用についても言及した。表情が見えにくくなることによる影響や熱中症リスクへの懸念から、2歳以上の場合は「マスク着用を一律には求めず、無理に着用させない」という考え方に見直す時期だとした。
小学生などの子どもは体育のプール授業や休憩時間の鬼ごっこなど、密にならない場合にはマスクを着けなくてもよいとした。
政府はマスク着用を感染対策の基本的対処方針の一つに位置づけている。松野博一官房長官は19日、マスクの着用について「専門家の科学的な意見も伺い検討する」と述べていた。
諸外国では屋外などでマスク着用義務の解除が進んでいる。英国やスペインでは屋内での義務を撤廃済み。韓国では条件付きで屋外での着用ルールを緩和した。一方、米国は撤廃後に一部都市で感染が再拡大し、ニューヨーク市では屋内のマスク着用を再び強く推奨する方向に転じている。
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