ワクチン接種、スマホで証明 政府がアプリ運用開始

政府は20日、新型コロナウイルスワクチンの接種を証明するスマートフォン向けアプリの運用を始めた。無料でダウンロードしてマイナンバーカードを読み込めば、ワクチンをうった日など接種記録をスマホ上に表示する。
接種証明書は国内用と海外用がある。国内向けは飲食店やイベントで接種を確認する際に使う。海外向けは渡航の手続きで利用し、パスポートの読み取りが必要になる。
アプリは「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」と名付けた。iPhone(アイフォーン)ならアップストア、アンドロイドならグーグルプレイからダウンロードが可能だ。

アプリを起動してマイナンバーカードの情報を読み取り、カード取得時に設定した4桁の暗証番号を入力し、接種した自治体を選ぶ。職場接種をした人は接種券を発送した自治体を選択する。
20~30秒ほどでアプリ上でQRコードつきの接種証明書が発行される。QRコードを読み取ると、氏名や生年月日、ワクチンの種類やロット番号、接種日などがわかる。海外用は国籍や旅券番号の情報が加わる。
政府のワクチン・検査パッケージでは、緊急事態宣言時でも2回接種済みが証明できれば5人以上の会食を許可したり、イベントの人数制限もなくしたりできる。
アプリができる前は海外渡航者向けに自治体が紙の接種証明書を発行していた。紙の発行は続けるほか、国内向けにも証明書を出す。紙の接種済証を写真撮影した画像やコピーの利用も認めている。

政府のアプリに先行して東京都などの自治体も独自にアプリを導入しており、マイナンバーカードによる厳格な本人確認が必要な政府のアプリは普及が課題となる。
牧島かれんデジタル相は17日の記者会見で、接種情報のもととなるワクチン接種記録システム(VRS)に登録されたおよそ1億件のうち10万件のデータに誤りがあると説明した。
松野博一官房長官は20日の記者会見で「ほとんどの記録は問題なく接種証明として利用できる」と語った。全国の自治体がデータの修正を急いでいる。
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