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13都県の「まん延防止」、21日午前0時から適用

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政府は19日、東京など13都県に新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を適用すると決めた。期間は21日午前0時から2月13日までとした。大阪、兵庫、京都の3府県もいずれかが重点措置の適用が必要と判断すれば共同で政府に要請する方針で、対象地域はさらに増える可能性がある。政府は要請があれば迅速に判断するとしている。

変異型「オミクロン型」は感染力が強く、飲食店対策を軸とする従来の抑止策に限界はある。ウイルスの特性に合った対策を急がなければ急拡大に伴って経済活動の機能は低下しかねない。

政府の新型コロナ対策本部で正式に決定した。9日から適用している広島、山口、沖縄を含め対象は16都県に広がる。首都圏で宣言や重点措置を適用するのは2021年9月末以来となる。

岸田文雄首相は対策本部で「メリハリのきいた対策で感染者数の増加を抑制することが必要だと判断した」と述べた。「医療体制がしっかり稼働するよう各自治体にさらに準備を進めてもらう」とも呼びかけた。

対象地域では知事が飲食店に営業時間の短縮を要請・命令できる。政府は基本的対処方針で十分な感染対策を取る認証店の営業時間は午後9時までとし、非認証店は午後8時までで酒類も提供しないよう求めた。

認証店で酒類の提供停止を要請するかどうかは自治体に判断を委ねた。そのため地域によって対応にばらつきがある。13都県のうち岐阜、長崎、宮崎の3県が提供停止の要請を決めた。残りの10都県は一定の条件下で酒類の提供を認める。

政府はイベントの人数制限も従来方針を継続する。感染防止安全計画を策定することを要件に最大2万人を上限とする。

一方で宣言や重点措置の下でワクチンの2回接種などを条件に飲食やイベントの人数制限をなくす「ワクチン・検査パッケージ」は原則停止とした。全員が検査をして陰性なら飲食やイベントの人数制限などを緩和する仕組みは残す。

新たな基本的対処方針ではオミクロン型に関し「潜伏期間の短縮、二次感染リスクの増大などが確認され、感染拡大のスピードが極めて速い」と指摘した。感染者の急増や医療体制の逼迫で「社会機能の維持も困難になってくる」との懸念を訴えた。

こうした認識にもかかわらず今回の対策は飲食店やイベント制限など従来の枠を超えない。海外ではすでにデルタ型のピーク時の数倍にあたる感染者数が出ているが、政府側にオミクロン型の特性を捉えた新たな発想は乏しい。

オミクロン型はワクチンを2回接種しても感染する人が相次ぐ。感染対策と経済の両立策として21年11月に導入したばかりだったワクチン・検査パッケージも2回接種を条件としていたため原則停止せざるを得なくなった。

新規感染者数が少なかった昨年秋以降、3回目接種に向けた体制整備や経口治療薬の実用化などを急いでいれば、経済活動との両立は可能だったのではないかとの指摘も出ている。先手先手の対応が社会機能を保つうえで重要になる。

基本的対処方針分科会の尾身茂会長は19日、記者団に「今までやってきた対策を踏襲するのではなく、オミクロン型の特徴にふさわしいメリハリのついた効果的な対策が必要だ」と強調した。

「これまでの『人流抑制』ではなく(飲食店などの)『人数制限』がキーワードになる」とも語ったが、その具体的な判断は自治体任せのままだ。酒類提供の是非だけでなく原則停止したワクチン・検査パッケージも知事の判断で運用できる道を残した。

9日から重点措置を適用している沖縄など3県に関し、山際大志郎経済財政・再生相は19日、衆院議院運営委員会で「感染拡大のスピードが緩くなってきている」との認識を示した。一定の効果が出ているとみて31日までとする期限の延長は見送った。

オミクロン型は従来のデルタ型などと比べ重症化率は低いとされる。特性を踏まえた医療提供体制の整備が医療逼迫を回避するうえで大事になる。政府は1月上旬、感染者を全員入院させる措置を見直し自宅や宿泊療養を活用する方針を決めた。

オミクロン型は潜伏期間が短いとみられることに着目し、発症から10日間が経過した場合などに退院を認める基準の見直しなども検討課題だ。米国は無症状の陽性者の場合、隔離期間を10日間から5日間に短縮するなど柔軟に運用している。

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