国の大規模接種、大阪2月7日開設 東京の予約28日から
防衛省は18日、自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の概要を決定した。名称を「自衛隊大規模接種会場」とする。東京会場は28日に予約を始め、31日から接種する。大阪会場は大阪市内の民間ビルに2月7日に開設する。予約は2月4日から受け付ける。

東京会場は2021年の1~2回目接種時と同じ大手町合同庁舎3号館(千代田区)を使う。
開設当初の1日の接種人数は720回程度とし、21年の1万人から大幅に減らす。2月6日に会場を閉鎖して施設を拡張し、翌7日以降は2160回程度に増やす。
施設のエレベーターが老朽化で使えないため、1階のみを使う。感染拡大で医療が逼迫した地域への自衛官派遣が増える可能性もあるとみて、自衛隊の医療人材に余力をもたせる狙いもある。
大阪会場は以前使用した施設がイベント予約で埋まっているため、堺筋八木ビル(大阪市)に拠点を移す。接種人数は1日960回程度にする。
東京、大阪両会場とも設置期間は7月31日までを予定する。利用状況をみて短縮する可能性がある。
自治体が配る3回目の接種券を持っていれ ば誰でも利用できる。居住地域の制限などは設けない。防衛省のホームページから専用サイトに入り、接種券番号などを入力して予約を取る。接種当日は接種券の持参が必須になる。
米モデルナ製のワクチンを使用する。1~2回目で米ファイザー製を接種した人も受け付ける。
自衛隊の会場は当面、21年夏に2回目接種を済ませた高齢者の利用が中心になる。一般の高齢者は2回目を打った日から7カ月たてば3回目を打てる。3月からは高齢者の接種間隔を6カ月、現役世代を7カ月にそれぞれ短縮する。

自衛隊はワクチンの接種遅れに対応するため、21年5月から大規模接種センターを都内と大阪府内に設置していた。2回目接種が一巡した11月に閉鎖した。当初は予約が殺到したが、自治体側の接種態勢が整うにつれ利用が減った。
岸田文雄首相が3回目接種を推進するため、22年1月上旬に再開を防衛省に指示した。
防衛省は全国の駐屯地や基地から医師資格を持つ自衛官「医官」や「看護官」を再び集め、運営を再開する。予約サイトの運営や受付業務などは民間企業に委託する。
- 著者 : 日本経済新聞社政治・外交グループ編
- 出版 : 日経BP
- 価格 : 2,640円(税込み)