首相、公明への推薦の早期調整指示 自民選対委員長に

岸田文雄首相(自民党総裁)は18日、首相官邸で自民党の遠藤利明選挙対策委員長と面会した。夏の参院選の公明党との協力を巡り、両党が候補を擁立する選挙区で公明党の候補に推薦を出す調整を早期に進めるよう指示した。遠藤氏は自民党の地方組織と協議を急ぐ。
遠藤氏は記者団に「できるだけ早く協力体制を組める形を作りたいという話をした」と述べた。地方組織との調整について「来週でひと通りの作業が終わると思う。ひとつずつ丁寧に、公明党からも理解を得られる形で進めたい」と強調した。
自民側は2月にも党内調整を終え、公明候補に推薦を出す方向で調整する。
自民党の茂木敏充幹事長は18日のBSフジ番組で兵庫など5選挙区について、来週にかけて地方組織との調整を進める考えを表明した。「来週には5つの県連を回り終わる。そこから最終的な調整に入りたい」との見通しを示した。
「大きな自公の協力で理解してもらうしかない」と話した。「いい方向に向かっていると思う」とも触れた。
自民党の福田達夫総務会長は18日の記者会見で「互いに知恵を出す過程で、それほど心配していない」との認識も示した。「自公の関係は長い歴史があり、これまでもいろんな局面があった」とも発言した。
公明党の山口那津男代表が17日に「早くから呼びかけていたがなかなか準備が整わない。自民党の状況が遅れているのは残念だ」と言及していた。「自民党の事情は事情だ。まず公明党自身の取り組みをしっかりやらなければならない」とも語った。
自民党は2019年の前回参院選などで兵庫や福岡など5つの改選複数区について公明党の候補者に推薦を出してきた。
19年参院選では両党が18年12月に相互の推薦の方針について合意した。前々回の16年参院選は同年3月に決めた。遠藤氏は21年に衆院選があったことを調整の遅れの理由に挙げた。
- 著者 : 日本経済新聞社政治・外交グループ編
- 出版 : 日経BP
- 価格 : 2,640円(税込み)

2022年夏の参議院選挙は岸田文雄首相にとって事実上、初めて政権運営の実績が評価される場となります。関連の最新ニュースをご覧いただけます。