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衆議院小選挙区「10増10減」、6月までに新たな区割り案

参院選後に法案提出 基本方針を決定

(更新)

衆院選挙区画定審議会(区割り審)は21日の会合で、衆院小選挙区を「10増10減」する区割りの基本方針をまとめた。小選挙区を巡る1票の格差を是正するためで、6月25日までに具体的な線引きを決めて岸田文雄首相に新たな区割り案を勧告する。

2020年の国勢調査の結果に基づき、東京の選挙区を5つ増やすほか、神奈川を2増、埼玉、千葉、愛知各県を1増とする。宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の各県は1減とする。

区割り審は首相の諮問機関だ。3月2日の次回会合から線引き作業を始める。政府は区割り審の勧告を踏まえ公職選挙法改正案を夏の参院選後の国会に提出する。新たな区割りは法施行後の衆院選から適用される。

20年の国勢調査で最も人口が多かった東京22区と最少だった鳥取2区の格差は2.096倍だった。1票の格差が広がると法の下での平等を定める憲法との整合性が問題となる。区割り審は格差が2倍未満となる案をつくる。

選挙区の数の割り振りは10年に一度の大規模な国勢調査をもとに改めるのが原則だ。衆院の定数が変わらない限り、30年に実施する次の調査結果が出るまで変えない。

21日の会合では選挙区の線引きをする際の基本方針として①市区町村は原則分割しない②各選挙区の人口は最も少ない鳥取2区以上、その2倍未満とする③1つの選挙区のなかに他の選挙区が入り込む「飛び地」は避ける――などを柱とした。

市区町村単位の改定で1票の格差を是正できないときは例外として、同じ市区町村内で選挙区を分割する。17年の改定では東京都新宿区や港区などで区内に選挙区の境界線を引いた。

20年の国勢調査に基づき人口比により近い配分ができる「アダムズ方式」で小選挙区の数を配分することは16年に成立した衆院選挙制度改革関連法で決まっていた。

都市部の議席数が増えて地方が減るため、自民党内からは今になって地方の声が国政に反映しにくくなると見直しを求める意見も出ている。

同じ政党内で選挙区調整が難航する可能性もある。小選挙区が1減する10県のうち滋賀、岡山、山口、愛媛の4県は現在、自民党が県内の全選挙区の議席を持つ。選挙区の数が減れば現職議員同士で小選挙区の公認を争うことになりかねない。

区割り審会長の川人貞史帝京大教授は21日の記者会見で「政党から色々な意見があることは承知しているが、法律にのっとって粛々と進める」と述べた。

基本方針では昨年の衆院選の当日の有権者数で1票の格差が2倍以上になっていた選挙区も境界線を引き直す。そのため主な区割り変更の対象は10増10減の15都県に、北海道、大阪府、兵庫県、福岡県を加えた計19都道府県になる見通しだ。

衆院選の議席配分の変更は16年成立の衆院選挙制度改革関連法に基づく。抜本的な変更は小選挙区比例代表並立制を導入した1996年の衆院選以来初めてだった。

このとき比例代表で東京ブロックを2議席、南関東ブロックを1議席それぞれ増やす一方、東北、北陸信越、中国の各ブロックを1議席減らすことも決めた。

政府は17年に15年の簡易国勢調査をもとに選挙区の「0増6減」などを先行し定数を10減らした。アダムズ方式は今回の区割り変更で初めて適用される。

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