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首相、脱炭素へ排出価格付け検討 夏までに戦略

蓄電池や省エネ生活などで行程表

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政府は18日、首相官邸で脱炭素の取り組みで経済成長をめざす「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会の初会合を開いた。岸田文雄首相は温暖化ガスの排出に価格を付けて削減を促すカーボンプライシングの検討を指示した。

クリーンエネルギー戦略は初めて策定する。夏までに蓄電池や省エネに適した生活への転換といった分野ごとに工程表をつくる。

岸田政権が掲げる新しい資本主義は「炭素中立(カーボンニュートラル)」を経済成長の起爆剤と位置づける。

首相は会合で「気候変動問題は新しい資本主義の実現で克服すべき最大の課題だ」と述べた。官民の投資を「少なくとも倍増させ、新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていく」と言明した。

クリーンエネルギー戦略は2021年12月に経済産業省が有識者会議で議論を始めたが官邸は直接関わっていなかった。これを首相主導で決める政権の主要課題に据え直し、環境省など他省庁も巻き込んで推進力を強める。

首相は再生可能エネルギーの普及に欠かせない送電網の増強も指示した。電気自動車(EV)に使う蓄電池の拡充もめざす。風力や太陽光などの再生エネのほか、水素やアンモニアといった脱炭素の電源も促進する。

企業活動や国民の生活スタイルの変化につながる取り組みとするため、排出を減らす需要サイドの改革にも意欲をみせた。産業転換に伴う労働移動も支援する。山口壮環境相には国民の暮らしの変革につながる具体策をまとめて報告するよう求めた。

懇談会は伊藤元重学習院大教授や三菱UFJ銀行の平野信行特別顧問らがメンバーとなった。萩生田光一経産相や山口氏ら関係閣僚も出席した。

カーボンプライシングは政府が税率を設定して企業や家庭に税金を課す「炭素税」や温暖化ガスを多く出す企業が排出枠を買い取る「排出量取引」が代表例だ。これまで環境省と経産省がそれぞれ検討を進めてきたが結論は出ていない。

首相は会合で、温暖化ガスの排出量を30年度に13年度比で46%減らし、50年に実質ゼロにする目標達成に意欲を示した。脆弱な送電網や事故による原発不信、再生エネのコスト高などを挙げ「この弱点をなんとしても克服していかなければならない」と力説した。

菅義偉前政権は30年度の電源構成を定めた「エネルギー基本計画」や、風力や原子力、半導体など産業の14分野を挙げた「グリーン成長戦略」を策定している。クリーンエネルギー戦略で時期や投資規模を含めた工程をより具体的に示す。

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