自民・岸田氏、消費税「10年程度は増税考えず」

自民党の岸田文雄前政調会長は18日、消費税率について「10年程度は上げることは考えない」と明言した。「新型コロナウイルスとの共存の段階で増税を言ってしまうと、今のシナリオが全部ガタガタになってしまう」と述べた。
日本記者クラブ主催の討論会で発言した。「すぐに増税で財政(赤字)を埋めることはまったく考えていない」と説明した。
増税議論を否定する一方で、財政再建を重視する姿勢も示した。「財政は国の信用の礎なので財政再建の旗はおろしてはならない」と強調した。「成長と分配の好循環」を実現した後に「財政を考えていく」と訴えた。
岸田氏は2020年の総裁選で、社会保障の新たな財源などを見極めたうえで「必要なら(消費税率の)引き上げも考える」と話していた。今回の総裁選では消費税増税により慎重な見解を示した。

菅義偉首相の後継を決める自民党総裁選には河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の4氏が立候補。9月29日に投開票され、岸田氏と河野氏の決選投票の結果、岸田氏が新総裁に決まりました。岸田氏は10月4日召集の臨時国会での首相指名選挙を経て第100代首相に就任しました。