まん延防止5県解除で31都道府県に 17道府県は延長決定

政府は18日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」について大阪など17道府県への適用を3月6日まで延長すると正式に決めた。東京など14都県を含めた対象地域は31都道府県になる。沖縄など5県は20日で解除する。
専門家による基本的対処方針分科会は18日の会合で17道府県の延長と5県の解除方針を了承した。この後、政府は持ち回りで開く対策本部で最終決定した。
新規感染者は前週比で減少している地域が増えているものの、病床使用率は5割を超える地域もある。岸田文雄首相は18日の衆院予算委員会で重点措置の延長地域の扱いに関し「警戒感を保ちながら、先行きをしっかり見据えて対応したい」と強調した。
解除する山形、島根、山口、大分、沖縄の5県は自治体が要請した。変異型「オミクロン型」の感染が広がって以降の重点措置に関する解除は初となる。

今回延長するのはいずれも期限が20日だった北海道、青森、福島、茨城、栃木、石川、長野、静岡、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡、佐賀、鹿児島の16道府県。27日が期限の和歌山県も3月6日に延ばす。
東京など14都県と期限日を合わせた。首相は17日の記者会見で「地元とよく話し合い解除できるという結論に至れば3月6日を待たずに解除することもあり得る」と述べた。
内閣官房によると16日時点で直近1週間とその前の1週間の平均を比べて、延長する17道府県も新規感染者は減少した。松野博一官房長官は18日の記者会見で「全国的にオミクロン型の感染拡大のペースが落ち着き始めている」と説明した。
政府は医療提供体制をより強化する。自宅や宿泊施設で療養中のコロナ患者を電話やオンラインで診療した場合の診療報酬の特例加算を2500円から5000円に引き上げた。転院や救急搬送患者の受け入れを強化するため、病床の新規確保で1床あたり450万円の支援金も設けた。

重点措置は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく。緊急事態宣言に準じる措置が可能で、飲食店への営業時間の短縮要請やイベントの人数制限などの対策が柱だ。十分な感染対策をとる認証店での酒類提供の可否などは都道府県知事が決める。
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