首相「責任痛感しおわび」 アスベスト訴訟原告団と面会

菅義偉首相は18日午前、首相官邸で建設アスベスト(石綿)訴訟の原告・弁護団と面会した。最高裁が17日に国の賠償責任を認める判決を出したのを受け、国の責任を認めて謝罪し「早急に和解に向けた基本合意を締結したい」と述べた。
首相は面会で最高裁判決を「重く受け止める」と語った。「首相として責任を痛感し、真摯に反省して心よりおわび申し上げる」と表明した。与党がまとめた和解案に基づき「給付金制度の実現に取り組む」と話した。
面会には最高裁判決を踏まえて和解案をまとめた与党のプロジェクトチーム(PT)の野田毅座長らも同席した。健康被害の状況に応じて1人あたり最大1300万円の和解金を支払う内容が柱となる。
提訴していない被害者を救済するため、和解金と同水準の給付金を支援する制度を設ける。与党は議員立法で救済法を制定する方針だ。
最高裁は17日に建設現場でアスベストを吸って健康被害を受けた元建設作業員や遺族らが起こした4件の損害賠償訴訟で、国が対策を怠ったと認定し、賠償責任を認める統一判断を示した。個人事業主も救済対象となり、メーカーの責任も認めた。