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衆院「10増10減」改正法が成立 1票の格差、2倍未満に

衆院の小選挙区の「10増10減」を反映した改正公職選挙法が18日の参院本会議で可決、成立した。小選挙区間の「1票の格差」を2倍未満に是正する。1カ月の周知期間をへて年内にも施行する。

最高裁は2倍超の1票の格差を「違憲状態」と判断してきた。国会は人口比を反映しやすいとされる議席配分方法「アダムズ方式」を導入した。

2020年の国勢調査の結果により各都道府県の小選挙区の数を算出した。10増10減で1票の格差は1.999倍となる。現行の区割りの最大2.096倍から縮小する。

小選挙区の数は都市部で計10増、地方で計10減する。全体では25都道府県の計140小選挙区で区割りを変える。比例代表ブロックは定数が「3増3減」となる。

松野博一官房長官は18日の記者会見で「混乱が生じることがないよう周知、啓発をはかっていきたい」と述べた。

地方の人口減少傾向が変わらなければ、より人口が少ない県の小選挙区の数が減り続ける。「地方の声が国政に届きにくくなる」などの指摘がある。

与野党は地方軽視という批判に配慮する。衆院の特別委は改正公選法の採決で、選挙制度について「国会で抜本的な検討を行う」などの付帯決議をまとめた。

与野党で協議の場を設置する。25年の国勢調査結果が判明する時点をめどに「具体的な結論を得るよう努力する」と明記した。

新しい区割りをみすえて与野党の候補者調整が本格化する。小選挙区が減る県で現職が選挙区を失う可能性もあり、調整は難航が予想される。

茂木敏充幹事長は18日、党本部で記者団に「候補者調整はまさにこれからだが、党内の意見を丁寧に聞きながら進めていきたい」と話した。

自民、公明両党のすみ分けも難題になる。公明党は増員する1都3県の小選挙区で新たに候補者の擁立を模索する。公明党の石井啓一幹事長は18日の国会内での記者会見で改正法の成立について「投票価値の平等に向けた前進」と評価した。

立憲民主党など野党も小選挙区が増える大都市部を中心に議席の上積みを目指す。立民の泉健太代表は記者会見で「独自候補の擁立を進めていきたい」と語った。

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