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経団連、ジョブ型雇用「検討必要」 春季交渉方針

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経団連は18日、2022年の春季労使交渉に臨む経営側の方針をまとめた。新型コロナウイルス禍を踏まえて一律の賃上げは見送り、業績が好調な企業に積極的な対応を促した。好業績企業のベースアップ(ベア)が「望まれる」とし、21年から踏み込んだ。年功型の賃金制度の課題では働き手の職務内容をあらかじめ明確に規定する「ジョブ型」について「導入・活用の検討が必要」と明記した。

「経営労働政策特別委員会報告」の中で、好業績の企業についてベア実施も含めた「新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」とした。21年に就任した十倉雅和会長(住友化学会長)体制下で初めての春季交渉方針となる。

経団連は21年の経労委報告では、好業績企業のベアを「選択肢」とするにとどめていた。新型コロナウイルス禍の状況でも最高益を記録する企業が出ていることを踏まえ、22年はより踏み込んだ表現ぶりに改めた。岸田文雄政権は21年11月、好業績企業に対して「3%を超える賃上げを期待する」と表明していた。経団連も歩調を合わせた形だ。

サービスや運輸などはコロナ禍の影響が続く。これらの業種に配慮し、業種横並びや一律的な引き上げではなく、あくまで労使協議による「賃金決定の大原則」が重要だと明記した。

同日、記者会見した経団連の大橋徹二副会長(コマツ会長)は「(不振企業は)賃金よりもまず事業継続、雇用の維持が重要だ」と述べ、「賃上げは個社が決めるもので、一律でやることはない」と強調した。

今回の報告では、年功型賃金について「転職等の労働移動を抑制」「若年社員の早期離職の要因の1つ」と指摘したのも特徴だ。新卒一括採用、終身雇用など日本型雇用システムの見直しを一層加速させる必要があるとした。

見直しの方向性として、主体的なキャリア形成を望む働き手にとってジョブ型雇用が「魅力的な制度となり得る」と評価した。各企業が自社の事業戦略や企業風土に照らし、ジョブ型の導入・活用を「検討する必要がある」と結論付けた。日本型雇用の課題を克服するため、社内公募制や、退職した元社員を再雇用する「アルムナイ採用」なども有効だと指摘した。

21年の報告では、ジョブ型について「総合的に勘案しながら検討することが有益だ」とするにとどめていた。大橋氏は直近の1年間で多くの企業がジョブ型の導入を始めている現状に触れ、「自社に適した形で制度を考える時期にきている」と語った。

春季交渉は25日に経団連と連合が開く「労使フォーラム」で事実上始まる。連合は交渉方針として「4%程度」の賃上げ目標を掲げている。

経団連の21年春季交渉の最終集計によると、大手企業の定期昇給とベアを合わせた賃上げ率は1.84%だった。政府による賃上げ要請が始まる前の13年以降で、8年ぶりに2%を割り込んだ。

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