岸田文雄首相、インド訪問へ グローバルサウスと協力協議 - 日本経済新聞
/

岸田首相、グローバルサウスと協力探る インド訪問へ

安全保障や経済、中国・ロシアに対応

(更新)

岸田文雄首相は19日、インドを訪問するため政府専用機で羽田空港を出発した。モディ首相と会談し、グローバルサウスと呼ばれる世界の途上国と安全保障や経済面で協力する方策を協議する。インドを巻き込み、途上国への影響力拡大に動く中国やロシアに対応する狙いがある。

岸田首相は同日に広島市で開いた会合で、2023年は20カ国・地域(G20)の議長国がインドだと指摘した。日本は主要7カ国(G7)の議長国を務める。首相は「国際社会の課題について意思疎通する」と述べた。

インドはグローバルサウスの代表格だと触れ「国際秩序をつくるためにインドとの協力は欠かせない」と訴えた。5月の広島でのG7首脳会議(サミット)での「大きな成果に向けて努力する」と強調した。

日印の2国間関係に関しては首相公邸で記者団に「特別戦略的グローバル・パートナーシップの一層の深化を確認していきたい」と話した。

「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の果たす役割について私の考えを明らかにしていきたい」とも語った。

岸田首相とモディ氏の首脳会談は対面では4回目になる。両首脳は22年3月にインドで初めて会談し、同年5月には日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」首脳会議にあわせて都内で面会した。

同年9月にも安倍晋三元首相の国葬に伴い都内で会った。岸田首相は2年連続でインドを訪れることになる。

インドはロシアから武器を輸入するなど伝統的に友好関係にあり、G7主導の対ロ制裁に同調していない。グローバルサウスにはインドと同様に軍事・経済の結びつきからロシアと一定のパイプを保つ国が目立つ。

インドはクアッドの一員であると同時に、中国やロシアなど新興5カ国のBRICSのメンバーでもある。G7と中ロがウクライナ侵攻などを巡りインドの取り込みを競う。

岸田首相は広島サミットの前にインドを訪ね、ウクライナ情勢やグローバルサウスへの支援の認識を共有する。政府内にはモディ氏を広島サミットの拡大会合に招待する案が浮上する。

日本は民主主義国のインドと関係を深め、軍備増強を進める中国への抑止力の向上もめざす。

岸田首相は今回の訪問中に演説し、政府が近く策定するFOIPの推進計画を説明する。ウクライナ侵攻に関連し、分断や対立ではなく協調を導くFOIPが重要だと提起する。

法の支配に基づく国際秩序の強化を改めて掲げる。東南アジアやアフリカ諸国による港湾などのインフラ整備や、海上の監視能力向上に貢献すると唱える。

FOIPの実現にはインドとの連携が不可欠だと主張し、日印関係の深化を提唱する。演説に先立つモディ氏との会談で計画の内容を伝える見通しだ。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません