飲食店の制限緩和、3道府県で開始へ 京都府は21日から
政府は18日、新型コロナウイルス対策の行動制限を一定の条件下で緩和する「ワクチン・検査パッケージ」を巡り、飲食店での実証実験を3道府県で開始すると発表した。京都府で21日、北海道で22日、福岡県で25日からそれぞれ始める。
京都府は21日から11月3日まで日本料理店など23店舗で制限を緩める。北海道は10月22日から30日まで居酒屋2店舗、福岡県は25日から29日までホテル内のレストラン1店舗で実施する。
飲食店の技術実証は今後12道府県で予定している。ワクチンを2回接種したか検査で陰性を証明した人を対象に5人以上の会食を認めるといった内容で、営業時間や酒類を提供できる時間も延長する見込みだ。
これに関連し、岸田文雄首相は18日午前、東京・新橋の居酒屋「磯丸水産食堂」を視察した。
視察後に記者団に「今週から京都府を皮切りに技術実証をスタートする」と表明した。「できるだけ平時に近い社会経済活動を取り戻していくことをコロナと共存しながら考えていかなければならない」と語った。
政府は10月からスポーツなどの大規模イベントで実証実験を始めていた。映画館などでも計画する。ワクチン接種歴などを確認する手順や店舗の対応などを検証している。
首相は18日、困窮する事業者向けの支援策に関しては「事業再構築補助金をはじめ、こうした取り組みもしっかりと後押ししていかなければならない」と話した。
衆院選後にまとめる経済対策に反映する。地域や業種を限定せず事業規模に応じて給付金を支給する方針を示している。
首相は8日の所信表明演説で国民の声を真摯に受け止めるため「私をはじめ、全閣僚が様々な方と車座対話を積み重ねる」と訴えた。就任直後から病院や子ども食堂などを訪れて現場の職員らと話し合うなど「聞く姿勢」を強調している。