高市氏と総務省幹部のメール 官邸の影響否定へ新資料
総務省は16日の参院予算委員会理事懇談会で、2015年当時の高市早苗総務相の放送法に関する答弁について新たな資料を提出した。高市氏と同省幹部によるメールのやりとりなどを含む。
首相官邸に関する記述はなく、放送法を巡る自身の答弁に官邸側の影響はなかったとする高市氏の主張を裏付ける狙いがあるとみられる。
立憲民主党は「前後のメールが切り取られている。全て出すべきだ」と反発した。
高市氏は15年5月の参院総務委員会で、一つの番組のみでも極端な場合は放送事業者が政治的公平を確保しているとは認められないと答弁した。
立民はメディアに圧力をかけるため解釈を変えたと批判。礒崎陽輔元首相補佐官が14年11月ごろから総務省とやりとりし、高市氏答弁につながったとみて追及している。
高市氏はこれまで「礒崎氏と総務省がやりとりしていたと知らなかった」と説明。答弁案も前日に初めて見たとしている。
総務省の提出資料によると、メールが交わされたのは答弁前日の夜。同省幹部が「答弁は非常に微妙かつ重要な問題を含んでいる」と高市氏に返信している。一部が黒塗りとなっているが、同省内での答弁調整の一端が記載されている。
提出資料ではこのほか、放送法の政治的公平に関し「放送事業者が特定の考え方に立って一方的な放送を行う場合は、その番組のみをもって政治的公平に反する場合がある」と記述。高市氏の答弁はこの資料を踏まえた内容になっている。
総務省は同省の行政文書を巡る追加調査結果も説明。礒崎氏から当時の安倍晋三首相へのレクがあったと明らかにした。〔共同〕
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