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北朝鮮が新型ICBM、全米射程に 北海道沖EEZ内に落下

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北朝鮮は24日午後2時33分、日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。日本政府は朝鮮半島西岸付近から発射され、午後3時44分ごろ日本の排他的経済水域(EEZ)内にあたる北海道渡島半島の西側150㌔㍍に落下したと発表した。米国本土の全域が射程に入る新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級と分析する。

日米双方への示威行動とみて警戒を強める。北朝鮮のミサイル発射は巡航ミサイルを含め今年になって11回目だ。

岸田文雄首相は訪問先のブリュッセルで記者団に「許せない暴挙であり断固非難する」と強調した。ミサイル技術の進歩にも懸念を示した。国連安全保障理事会の決議違反だと指摘し「制裁も含め、日米、日米韓をはじめ連携して対応する」と述べた。

防衛省はミサイルの飛行距離は1100㌔㍍、最高高度は6000㌔㍍超で、飛行時間は71分間だったと明らかにした。防衛省が確認できた限りで過去の最長飛行時間は53分間、最高高度は4500㌔㍍で、今回はいずれも上回った。

外務省は24日の自民党の会合で、高角度のロフテッド軌道で打ち上げたとみられ「理論上は米国の東海岸まで届く可能性がある」と説明した。

米インド太平洋軍は24日の声明で「米本土や同盟国を守る準備ができている」と明記した。サキ米大統領報道官も声明で米本土や日韓の防衛に「すべての必要な措置」をとるとした。

これに関連し、林芳正外相とブリンケン米国務長官、岸信夫防衛相とオースティン米国防長官がそれぞれ電話で30分ほど話し合った。日米同盟の抑止力の強化が重要だと確認した。

日米両外相はミサイル発射を非難し「国際社会への明白かつ深刻な挑戦だ」との認識で一致した。国際社会がロシアのウクライナ侵攻への対応に追われており「挑発的な行動を進める機会の窓が開いたと北朝鮮に誤信させてはならない」との考えも共有した。

林氏が協議後、記者団に語った。「引き続き弾道ミサイルの長射程化を追求する北朝鮮の姿勢に変わりはない」との見方も示した。ミサイルが日本本土から近い地点に落下したことでは「日本の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威だ」と主張した。

北朝鮮は2017年にICBMを3回発射した。日本側は今年2~3月のミサイルもICBM級の性能を抑えて発射したとみる。北朝鮮のミサイルが日本のEEZ内に落下するのは21年9月以来だ。

首相は発射後すぐに①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対し迅速・的確に情報を提供②航空機、船舶などの安全確認を徹底③不測の事態に備え、万全の態勢をとる――の3点を指示した。ブリュッセルへ移動中の政府専用機から電話で連絡した。

これを受け、政府は国家安全保障会議(NSC)で対応を協議した。北朝鮮には北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議した。

松野博一官房長官は24日の記者会見で「航空機や船舶の安全確保の観点から極めて問題がある危険な行為で、深刻な懸念を表する」と批判した。現時点で被害報告はないと説明した。

松野氏は「国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応しているなかにあっても国際社会への挑発を一方的にエスカレートさせるような発射を強行している。重ねて容認できない」と語った。

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