量子・バイオ新興支援 革新機構、2000億円の新ファンド
官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)は16日、2023年1月に2000億円の新たなファンドを設立すると発表した。量子コンピューターやバイオテクノロジーといった「ディープテック」分野のスタートアップを主な投資対象にする。事業化に時間がかかる革新的な技術やサービスに民間資金を集める呼び水とする。
JIC傘下のJICベンチャー・グロース・インベストメンツ(VGI)に2000億円の2号ファンドを設ける。スタートアップ全般を対象にした1号ファンド(1200億円)を上回る規模とする。
2号ファンドは創業間もない「アーリー枠」に300億円、成長軌道にある「グロース枠」に1700億円を振り分ける。アーリー枠はディープテックに加え、AI(人工知能)を使った創薬などライフサイエンス分野を対象にする。
23年春には、他のベンチャーキャピタル(VC)が保有するスタートアップ株式を買い取る400億円規模のファンドも立ち上げる。同ファンドは上場済みのスタートアップの第三者割当増資による資金調達に応じるほか、VGIの投資先企業への追加投資も担う。
JICは同日、日本のスタートアップへの投資を検討する海外VCへの出資にも取り組むと表明した。欧米の大型VCと日本のVCが連携してファンドを設立することなどを促す。