防衛費財源の法人増税 経団連会長「しわ寄せは残念」
自民、公明両党が16日、2023年度の与党税制改正大綱に防衛費増額のため法人税などを財源に充てる方針を明記したことを受け、経済界からは国民や企業に十分な説明を求める意見が相次いだ。
経団連の十倉雅和会長は同日、都内で記者団に防衛力強化は国民の安全に資するとして「幅広い税目で広く薄くやってほしい」と訴えた。企業が一定の負担をするのは「やぶさかではない」としつつも「法人税にしわ寄せがきたのは残念だ」と述べた。賃上げや国内投資を進めるため、政府に支援を要望した。
経済同友会の桜田謙悟代表幹事は「防衛費を上げることは賛成だ」と語った。一方で「なぜ法人税なのか。(十分な)議論がない中でいきなり財源の税目まで決まってしまうのは拙速だ」との考えを示した。
日本商工会議所の小林健会頭は「中小企業への配慮は一定程度評価できるが、法人に偏った増税措置は企業の前向きな賃上げや投資意欲に水を差しかねない」とのコメントを出した。