精神的暴力も接近禁止、DV防止法改正へ 政府

政府はドメスティックバイオレンス(DV)の被害者の保護を強化する。被害者への接近などを禁じる裁判所の「保護命令」の対象や期間を拡充する。2023年1月召集の通常国会に関連法の改正案を提出する。
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(DV防止法)を改正する。同法は保護命令の内容を規定している。
現在は保護命令の申し立てができるのは身体的な暴力を受けた人になる。対象を広げて、精神的な脅迫を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)など被害が発生する恐れがある人も申し立てを可能にする。
接近禁止命令の期間も現在の「6カ月」を「1年」に延ばす。DV被害者と同居する未成年の子どもに関しては、DV加害者は接近だけでなく電話もできない制度に変更する。
岸田文雄首相は15日に開いた男女共同参画会議で、改正案の提出に向けた検討を進めるよう関係閣僚に指示した。「あらゆる暴力の根絶に向けた取り組みを抜本強化する」と強調した。
日本は23年5月に広島市で主要7カ国首脳会議(G7サミット)を開催する。ジェンダー平等は主要な議題の一つで、日本で初めてG7各国の男女共同参画・女性活躍担当相会合も開く。法改正は各国に日本の取り組みを示す目玉になる。