2月の貿易赤字6682億円 原油価格高騰で輸入3割増

財務省が16日発表した2月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6682億円の赤字だった。赤字は7カ月連続となる。原油などエネルギー価格の高騰で、輸入は前年同月比で3割増えた。輸出も円安などを受けて2割増加。輸出入ともに2月としては過去最高となった。
輸出は19.1%増の7兆1900億円だった。鉄鋼が韓国向けを中心に45.5%増加。自動車も8.3%増えた。いずれも数量ベースでは減少しており、円安や製品単価の上昇などが金額を押し上げたとみられる。2月1日の春節(旧正月)を挟む大型連休が明け、中国企業の工場再開も伸びを後押しした。
輸入は34%増の7兆8583億円だった。原油が2倍近く伸び、液化天然ガス(LNG)も6割増えるなどエネルギー価格の上昇が伸びをけん引した。医薬品も新型コロナウイルス関連の需要などを受けて倍増した。
1月の貿易収支は2兆円を上回る赤字で過去2番目に大きい赤字額だった。2月は輸出の増加などで赤字幅は前月から縮んだ。
地域別に見ると、米国は貿易収支が4028億円の黒字で14.2%減った。減少は2カ月連続。輸出は自動車がけん引し16%伸びたが、医薬品などの増加で輸入が38.9%増えて黒字幅を圧迫した。
対アジアの貿易収支は7451億円の黒字で88.7%増えた。輸出入とも2月としては過去最高だった。中国との貿易収支は556億円の赤字で11カ月連続の赤字だった。輸出は25.8%増え、2月として最高となった。輸入は5.8%増で13カ月連続で増えた。
対欧州連合(EU)は1941億円の赤字で32カ月連続の赤字だった。ベルギーからの医薬品などで輸入が3割増えた。輸出は8.8%増だった。
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