入管法改正案が審議入り 難民認定の申請に制限
不法に在留する外国人の長期収容の防止を目的にした出入国管理法改正案が16日、衆院本会議で審議入りした。難民認定の申請手続きに関し、3回目以降の申請の際には送還できるようにする。政府には入管施設に収容された外国人の帰国拒否の減少につなげる狙いがある。
上川陽子法相は16日の本会議で入管法改正案について「退去強制手続きを適切かつ実効的なものにするのは喫緊の課題だ」と説明した。不法就労などを摘発された外国人は送還まで原則として入管施設に収容される。
いまの制度は難民認定の申請中は外国人を本国に送還できない。入管法改正案は3回目以降の申請の際は例外的に送還できるように変える。退去命令に従わない際の罰則を追加する。
外国人の権利を広げる仕組みもつくる。逃亡の恐れが無い場合、「監理人」という支援者らの管理下で外部で生活できるようにする。難民に準じる「補完的保護対象者」と呼ぶ制度も設け、紛争国の避難民の保護の間口を広げる。
日本の不法残留者は2021年1月時点で8万2868人いる。不法残留者や帰国を拒む外国人には日本語しか話せないなど、母国に帰ると支障がある人もいる。送還の推進には支援者らから批判もある。