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処理水の風評対策を検討 関係閣僚の実行会議が初会合

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東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ、処理水などを入れるタンク(3月)

政府は16日、東京電力福島第1原子力発電所事故で出る処理水の海洋放出に伴う風評対策を検討する関係閣僚の実行会議の初会合を首相官邸で開いた。会議の下にワーキンググループを設け、追加の対策を検討していくことを決めた。

議長を務める加藤勝信官房長官は会議で「今からスピード感のある対策を積極的に講じることが不可欠だ」と話した。「処理水の影響で復興の歩みを停滞させてはならない」と強調した。

会議に出席した福島県の内堀雅雄知事は、国内外への正確な情報発信、万全な風評対策と事業者の支援、不祥事が相次ぐ東京電力ホールディングスの管理体制の改革の3点を要請した。

東京電力ホールディングスの小早川智明社長は出席後、記者団に「風評被害が実際に起こったときの賠償についても安心してもらえる状況を作っていきたい」と述べた。

今夏に開く2回目の関係閣僚会議に向けてワーキンググループを複数回開き、関係者へのヒアリングなどをもとに追加の対策を整理する。放出後にどう対応するかも含め、具体的な風評対策を盛り込んだ行動計画を年内に策定する。

16日の会議では、当面取り組むべき課題も示した。風評被害を抑えるため安全性を国内外に理解してもらうよう情報を発信するほか、市町村などによる風評対策の取り組みを新たに支援する。国際原子力機関(IAEA)とも連携し、海洋放出の手続きの透明性などを海外に訴えていく。

政府は13日に海洋放出の方針を決めた。東電が規制当局との手続きや配管工事などを進め、2年後をめどに海に流す。

福島第1原発事故で発生し続けている処理水は、専用装置を使っても現在の技術では取り除けない放射性物質のトリチウム(三重水素)を含む。国と東電は海に放出する際に、世界保健機関(WHO)が定める飲料水基準の7分の1の濃度に薄める計画だ。

健康への影響はほとんど無視できるが、風評被害を懸念する国内の漁業関係者は海洋放出に反対している。中国や韓国などは農水産物の輸入規制を続けている。トリチウムは通常の原発などでも発生し、各国でも基準値以下に薄めて海などに放出している。

IAEAのグロッシ事務局長は処理水の海洋放出について「国際的な慣行に沿ったものだ」と指摘している。

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