志賀原発「活断層ない」 規制委、審査チームの結論了承

原子力規制委員会は15日の定例会合で、北陸電力の志賀原子力発電所2号機(石川県)の直下を走る複数の断層が「活断層ではない」とする審査チームの結論を了承した。2016年の有識者会合の評価書では一部の断層を活断層と解釈するのが「合理的」としていた。今回、現地での調査データを増やして評価を覆した。
山中伸介委員長は同日の記者会見で「(北陸電が)かなりデータを積み上げて(断層の)活動性を否定した、という説明は納得できた」と述べた。改めて有識者会合を開く必要はないという。
原発の新規制基準では最後に動いてから12万〜13万年以内の断層について、将来再び活動する可能性がある活断層と分類している。敷地内に活断層があれば原発の稼働は認められない。安全審査の大きな論点で、事業者は地層のデータから活断層ではないことを立証する必要がある。
16年の評価書では事業者が提出したデータが限られたため、課題としてデータを増やす必要性を指摘していた。北陸電は地層の重なりを調査する従来の手法に加えて、地下で地層や岩の割れ目に熱水などがしみこんだ跡を分析する「鉱物脈法」も活用して検証し、規制委側の理解を得た。