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病床確保、措置なく逼迫 コロナ対応検証会議が報告書

新型コロナウイルス対応の検証を行う政府の有識者会議は15日、過去の対応を踏まえた中長期的な課題について報告書をまとめた。病床確保の実効性を担保する措置がなかったため、感染拡大時に医療の逼迫を招いたと指摘した。デジタル化や国産ワクチン開発の遅れなども課題に挙げた。政府は報告書を受け、今後の感染症対策での改善を急ぐ。

報告書では過去に流行した新型インフルエンザの対応経験が十分に生かせず「検査・病床確保などの保健・医療提供体制の立ち上げに相当の困難があった」と振り返った。コロナの感染拡大時には指定医療機関だけで患者を受け入れきれず、がん治療などを担う一般の病院の通常医療を制限して病床を確保する必要が生じた。

入院患者を受け入れる各医療機関の役割分担が明確にされておらず「医療機関の協力を担保するための措置もなかった」ために医療の逼迫が起きたと言及した。入院調整、救急搬送、院内で感染リスクがある場所と安全な場所を分ける「ゾーニング」といった訓練も実施しておらず、体制構築までに時間がかかった。

こうした教訓を踏まえ、感染拡大時に医療機関や人材が的確に役割を担えるよう法的な対応も含めた仕組みづくりが必要だと強調した。

保健医療分野のデジタル化の遅れがワクチン接種や治療といった感染症対応の制約要因になったとも記載した。

例えば感染者情報の収集に向けて導入した一元管理システム「HER-SYS(ハーシス)」の運用では、集計を担う保健所や入力する医療機関の負担が増したため感染拡大時にデータ入力が遅れる混乱があった。電子カルテ間の規格が統一されていないため患者情報の共有が難しかった点なども列挙した。

国産のワクチンや治療薬の迅速な開発が遅れた原因にも触れた。新たな感染症の発生時にワクチンや治療薬を開発できる企業を育成するための平時からの取り組みが「不十分だった」と記した。

新たな感染症が発生した場合の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置といった新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく措置の運用についても課題を挙げた。コロナ禍ではこうした私権制限につながる措置を巡り実効性などを疑問視する指摘が出ていた。

報告書では、今後適用する場合に「内容や期間などを必要最小限にするとともに状況の変化に応じて柔軟に見直すことが重要である」と明記した。

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