重要土地利用規制法、20日に全面施行 妨害電波など事例
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政府は16日の閣議で、安全保障面で重要な土地の利用を規制する「重要土地利用規制法」の全面施行日を20日にすると決めた。運用の基本方針も閣議決定した。安保の脅威になる外国勢力の活動を防ぐ。

国は防衛や原子力に関係する施設の周辺およそ1キロメートルや、国境近くの離島の周囲を「注視区域」に指定する。同区域内で安保上の懸念がある土地の使われ方を確認すれば、その中止を勧告・命令できる。
司令部機能をもつ自衛隊基地などの周辺は「特別注視区域」にする。一定規模以上の土地を売買する際は氏名や利用目的を事前に届け出ることを義務付けた。従わなければ懲役刑や罰金刑を科すことができる。
基本方針は規制する対象の例を7つ示した。自衛隊機の発着やレーダーの運用を妨げる工作物の設置、妨害電波の発信などだ。例示したもの以外でも妨害行為は規制の対象になり得ると記した。
同法は2021年6月に成立し、22年6月に一部施行した。全面施行から5年後に検証して必要な場合は追加で措置すると付則に明記した。
松野博一官房長官は16日の記者会見で「日本の安全保障の確保のために必要不可欠だ。国民の理解が深まるよう努める」と強調した。