関電子会社、電圧測定・保存義務怠る 家庭向け120カ所
経済産業省は14日、関西電力の送配電子会社の大阪府内の一部営業所で電気事業法が義務づける電圧の測定・記録・保存を怠っていたと発表した。約120カ所の家庭向け電圧を測定していなかった。経産省は違反がいつから発生していたかといった詳細を22日までに報告するよう求めた。
経産省によると、関電子会社の関西電力送配電から電圧測定をしていなかったとの連絡があった。事実と異なる記録をしていたことも発覚したという。電事法は違反した場合、30万円以下の罰金を科すと定める。
経産省は電圧の測定や保存が「送配電事業の根幹である電気の質を確保する根本だ。事業の信頼性に関わる非常に重要なことだ」と指摘。保存義務を怠っていたことがただちに利用者に影響を与えるものではないとしながらも、電圧に異常があった場合は家庭の電気機器に不具合が生じる可能性があったと説明する。
関電送配電は「このような事態を発生させたことを重く受け止めており、心からおわび申し上げる。原因究明と再発防止策を策定し、実行していく」とコメントした。経産省は他の送配電事業者に同様の事案がないか確認を求めている。
関電では不祥事が相次ぐ。送配電部門が所有する新電力の顧客情報を小売部門が不正に閲覧し、2月21日に経産省から法令順守を求める緊急指示を受けた。再生可能エネルギー発電事業者の情報を管理する経産省のシステムを不正閲覧した事案もあった。
中国電力、中部電力、九州電力とともに企業向け電力の供給などを巡るカルテルを結んでいたことも発覚している。2020年には役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取った問題で業務改善命令を受けた。