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自衛官への接種開始、水害対応にらむ 海外は軍優先

大規模接種センターでの自衛官や警察官らへの接種が始まり「危機管理要員専用」の列に並ぶ人たち(14日、東京・大手町)

政府は14日、自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで、予約枠の空きを活用して自衛官らへの接種を始めた。災害対応や国防の担い手への接種で日本は諸外国から後れをとる。

水害が相次ぐ夏場を控え、緊急支援にあたる部隊の接種の遅れは対処能力にも影響する。

14日は午後に東京会場で1650人分の空きがあった。13日に急きょ、関係省庁に呼びかけて接種の対象とする職員を決めた。

災害派遣に備える隊員を中心に、首都圏で勤務する自衛官らが接種を済ませた。大阪会場でも空きがあり次第、自衛官らへの接種を始める。

大規模接種センターで実施する65歳以上の高齢者向けの接種に関し、10日から対象を全国に広げて予約を受け付けている。14日午後5時時点で15~27日分の予約枠の65%が空いたままだ。

前日までに埋まらなかった予約枠を自衛官や警察官、消防、海上保安庁の職員らに割り振る。

政府は全国に22万人以上いる自衛官を優先接種の対象としていない。医師・看護師資格を持つ自衛官を除き、多くの隊員は高齢者向け接種が一巡した後、一般の64歳以下と同じ枠組みで受ける。

5月に米モデルナ製ワクチンの健康調査を兼ねて、海外勤務や災害派遣の可能性がある隊員向けに接種を始めたものの対象は1万人程度だった。

夏場は台風や集中豪雨などに伴う水害といった災害が増える。部隊で新型コロナの集団感染が広がって出動できなくなれば、被災地での任務遂行に支障が出る。

自衛官の場合、駐屯地や基地で集団生活しており、大人数で訓練に従事する場合が多い。かねて集団感染のおそれが多いとの指摘が出ていた。

海外では軍への接種を優先する国が目立つ。

当局の発表や現地メディアによると、米国やカナダ、ドイツ、スペイン、韓国、インドネシアで高齢者や医療従事者などに続く優先接種の対象に軍人を含めている。

中国やロシアでも軍人への接種が進む。ロシアは昨年8月にいち早く国産ワクチンを承認し、11月下旬から医療従事者より先に軍人やその家族への接種を始めた。すでに対象の9割超にあたる80万人以上が接種した。

米国では昨年3月、原子力空母でクラスター(集団感染)が発生して任務停止に追い込まれた。感染拡大で活動が制約されると抑止力の空白にもつながる。

日本でも自民党が今月、全自衛官への接種を優先すべきだと政府に申し入れた。決議文で「国外で活動する自衛隊員は諸外国の軍隊に比べ、新型コロナのリスクを常に気にかけながら活動する実態が生じている」と主張した。

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