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放送外資規制の実効性強化 総務省、7月に改善の具体策

総務省は14日、放送事業者に対する外資規制の審査強化に向けた有識者会議の初会合を開いた。7月中に具体策を示し、有識者会議の結論を待たずに取り組む方針を示した。現行制度は見逃しや抜け道が懸念され、実例も出ている。実効性の強化に向けた迅速な見直しが求められる。

武田総務相は「チェック機能が働かない制度となっている」と危機感をにじませた(14日)

「外資規制の審査でチェック機能が働かない制度となっており、今般の違反事案が起こるべくして起こったと考えている」。武田良太総務相は会議冒頭でこう指摘。法改正も視野に入れた対策を検討するよう求めた。

放送法や電波法は報道機関の外資支配を防ぐため、放送持ち株会社や地上・衛星の事業者に対し議決権ベースの外資比率を20%未満とするよう定める。同省幹部への接待が発覚した東北新社と、フジ・メディア・ホールディングス(HD)が過去にこの規制に抵触していたことが判明し、見直し機運が高まっている。

総務省は会議で「(申請書類の)様式や違反状況の把握は必ずしも法改正まで行わなくてもある程度の措置が可能」と説明。7月の次回会合で具体策を示すと表明した。

念頭に置くのは外資比率を裏付ける資料の提出や、認定後に外資状態を定期審査する仕組みの導入だ。現行の審査は「性善説」に立つ。衛星放送では1%以上の議決権を持つ外国法人だけを申請書類に記載すれば済む。総務省は実際の比率を確認するすべがなく申請をうのみにするしかない。これが東北新社の問題につながった。

認定後は議決権の変更時や認定の更新時以外はチェックしていない。同省はフジ・メディアHDに関して報告時に違反状態を解消していたとして認定を維持した。現行のままだと、違反解消後に報告し、取り消しを免れるといった悪用につながる懸念もある。

有識者会議では通信事業者も含めた情報通信全体の外資規制のあり方も議論する。放送番組のインターネット同時配信など、放送と通信の融合が進み、米ネットフリックスといった海外の動画配信サービスの利用も増えている。有識者からは既存の規制を前提とせずに「法制度もゼロベースで考える必要がある」との趣旨の意見が出た。

例えば英国やオーストラリアは放送分野の外資規制を2000年代に廃止した。英国、ドイツ、フランスは通信分野の外資規制がない。これらの国では株式の売却命令も可能な外資出資の審査制度を設けている。放送・通信も対象で、個別審査で安全保障を担保する。

国内では外為法が安保上重要な日本企業への外資出資を事前届け出の対象として規制する。有識者会議は外為法との関係も整理しながら、11月中に全体のとりまとめ案を公表する予定だ。

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