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G20、共同声明出せず「大きな乖離」 財務相会議が閉幕

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【ワシントン=広瀬洋平】米ワシントンで開いていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日(日本時間14日)に閉幕した。対ロシアで参加国間の溝は大きく、共同声明をまとめられなかった。議長国のインドネシアは「大きな乖離(かいり)がある」と指摘。インフレ抑制に向けた金融引き締めの影響に対処する方針で一致したものの、世界経済の減速に対応できるかは不透明だ。

ウクライナに侵攻したロシアへの対応をめぐって日米欧の主要7カ国(G7)と、中国やインドなどとの間に隔たりがある。共同声明の見送りは4月と7月の会議に続き、3回連続となる。

インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相は閉幕後の記者会見で「世界は危険な状況にある」と訴えた。鈴木俊一財務相は別に開いた会見で、インドネシアが後日に議長総括を公表する見通しだと明らかにした。

4月の財務相会議ではロシア側の発言時に米英など一部が退席した。鈴木氏は今回の会合では「前もってG7で意思疎通し、発言時も退場しないとした。会場にいて(ロシアに)最大限の非難を各国が行った」と説明した。

世界経済はウクライナ危機によるエネルギーや食料の価格高騰に加え、米国の急速な利上げによる新興国の債務負担の増大などの問題にも直面する。

G20議長国のインドネシアは13日に共同プレスリリースとしての文書を公表し、米欧の利上げを念頭に「物価の安定を達成し、他国への影響を回避するためにG20は金融政策の引き締めペースを適切に調整することにコミットしている」と強調した。

鈴木氏は後日の議長総括で「多くの通貨がボラティリティー(変動率)の増加を伴ったとの認識が共有される」との見通しを語った。為替レートは市場で決定され、過度な変動や無秩序な動きは経済や金融の安定を損ねるといった既存の合意も再確認したとした。

実際に踏み込んだ対応をとれるかは見通せない。

低所得国の債務再編も打開策を示せないでいる。G20は2020年に最大の貸し手である中国を巻き込んで議論するための「共通枠組み」の設定で合意した。ザンビアなどがこの取り決めのもとでの債務再編を求めている。

中国が融資情報の開示に難色を示し、議論は停滞している。鈴木氏は初日の12日の会議後に「成功事例を早くつくることが大切だと申し上げた。他のG7参加国からも同様の意見があった」と述べ、中国との溝が埋まっていないことをにじませた。

G20は08年のリーマン危機への対応をきっかけに生まれたが、国際協調の枠組みとしての機能不全を露呈している。急速な金融引き締めによる世界経済の減速懸念を前に、足並みをそろえられるか不透明感は強まっている。

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