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財政収支、26年度に黒字化 首相「健全化目標変えず」

(更新)

内閣府は14日の経済財政諮問会議に中長期の財政試算を提出した。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が黒字化する時期を2026年度とする見通しを示した。企業業績の回復に伴う税収の増加を反映し、前回21年7月の試算から1年前倒しした。

PBは公共事業費や社会保障費といった政策経費を借金に頼らず、税収などの財源でどの程度まかなえるかを示す指標だ。新型コロナウイルスの感染拡大に対応して大型の補正予算を組んだ影響で国の財政支出は20年以降大幅に膨らんだ。PBは21年度が42.7兆円、22年度は35兆円の赤字になる。

その後は新型コロナの感染拡大が落ち着くとともに、経済対策の効果で景気が回復し、法人税収などが増えるとみる。新たな試算は名目3%、実質2%の高い経済成長率が続く前提で、26年度に0.2兆円の黒字になると見込む。

政府は25年度のPB黒字化を財政健全化の目標に掲げてきた。試算では25年度のPBは1.7兆円の赤字が残る。内閣府は社会保障費の抑制といった従来の歳出削減を続ければ、25年度の黒字化も視野に入ると説明した。

岸田文雄首相は諮問会議で「PBは25年度に黒字化する姿が示された。現時点で財政健全化の目標年度の変更が求められる状況にはない」と述べた。「新型コロナの危機を乗り越え、経済をしっかり立て直し、財政健全化に向けて取り組む」と強調した。

これらの試算は企業の技術革新などを反映する生産性の上昇率がいまの0.4%から1.3%程度まで上昇すると仮定した「成長実現ケース」の場合だ。生産性の上昇率は1982~87年度の実績値を当てはめており「前提が甘すぎる」との批判がかねてある。

成長率や物価の見通しをより慎重に計算した「ベースラインケース」も示した。成長率が名目で1%台前半、実質で1%程度で推移する場合、PBの赤字は25年度で4.7兆円となる。その後も改善は見込めず、31年度も4.6兆円の赤字が残る。国と地方を合わせた公債残高は31年度で1296.1兆円と名目国内総生産(GDP)の2倍の規模のままだ。

足元では新型コロナの変異型「オミクロン型」の感染が広がる。回復基調にある個人消費を中心に景気の先行きに不透明感が強まっており、政府の試算に沿った経済成長を実現できるかは見通せない。

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