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原発を冬に最大9基稼働 首相表明、消費電力の1割

(更新)

岸田文雄首相は14日、首相官邸で記者会見し原子力発電所を今冬に最大で9基稼働すると表明した。国内消費電力のおよそ1割に相当する電力を確保する。火力発電の供給能力も10基増やす。電気代負担を実質的に軽減する新枠組みも打ち出し、電力不足解消へ政策総動員で臨む。

首相はこれまで参院選を控え、原発の再稼働などを巡り「最大限の活用」といった発言にとどめてきた。選挙後、初の首相としての記者会見で電力の確保を「政府の責任」と言明し積極姿勢を鮮明にした。

電力会社が再稼働を申請した原発は25基ある。このうち10基は原子力規制委員会の安全審査を通過し、いったんは地元の同意を得て再稼働していた。定期検査や安全対策の工事を理由に現在稼働しているのは5基にとどまっている。

首相は再稼働に向け「国が前面に立ち、立地自治体など関係者の理解と協力が得られるよう粘り強く取り組む」と意欲を示した。萩生田光一経済産業相に対応を指示したと明らかにした。

首相は最大9基の原発が再稼働した場合「ピーク時に余裕を持って安定供給を実現できる水準を目指す」と強調した。火力発電もあわせ「過去3年間と比べ最大限の供給力確保を実現できる」と指摘した。

関西電力四国電力九州電力では冬に原発9基を動かす体制をめざしていたものの、首相が明言することで実現の可能性を高める狙いがある。

首相が追加で確保する方針を示した火力発電所10基は一般的に500万~800万キロワット程度の規模となる。古くなって停止中の火力発電所の再稼働を電力会社に求める。新設や試験中の発電所の活用も模索する。

電力広域的運営推進機関によると、もっとも需給が厳しい2023年1月に全国で最低限必要な予備率3%を確保するには200万キロワットの追加の供給力が必要だ。500万キロワットを確保できれば、東北から九州の予備率は5%程度まで高まる計算になる。

電気代負担を実質的に軽減する枠組みを設けるとも説明した。節電に協力した家庭などに電力小売り各社がポイントを付与する制度に関し、政府が秋以降に加算を始める。電気料金の1~2割ほどの抑制をめざす。

物価高対策は自治体の判断で低所得者への給付金の上乗せや給食費支援などを実施すると明言した。地方自治体向けの国の地方創生臨時交付金を積み増す。5.5兆円の予備費の一部の支出を月内に閣議決定する。

足元で急拡大する新型コロナウイルスを巡りワクチンの4回目接種の対象を拡大する。60歳以上などに限る対象者を全ての医療従事者と高齢者施設の従事者およそ800万人にも広げる。

駅や空港に無料の検査場を100カ所以上設ける。水際対策については「強化することは具体的に考えていない」と言及した。

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