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G7サミット共同宣言の骨子

G7サミットでは対中国や気候変動問題などを討議した(=AP)

13日閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)で採択された共同宣言の骨子は以下の通り。

【前文】

新型コロナウイルス感染症に打ち勝ち、より良い回復を図ることにコミット。国際協力、多国間主義及び開かれ、強靱(きょうじん)で、ルールに基づく国際秩序に基づき行動。

【保健】

2022年までのパンデミック終息という目標を設定。途上国に対するワクチンを供与する多国間枠組みであるACTアクセラレーターおよびCOVAXファシリティーへの支持を再確認。日本とGaviが共催した「COVAXワクチン・サミット」の成功を歓迎。

資金及び現物供与を通じて来年にかけてワクチン10億回分の供与に相当する支援にコミット。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を含む「カービスベイ保健宣言」を承認。

ワクチン等の世界的な開発の加速化の目標の歓迎。

新型コロナ対策及び将来の健康危機への備えと対応のための国際保健システム強化。

【経済回復及び雇用】

必要な期間、経済への支援を継続。回復が確かなものとなれば、財政の長期的な持続可能性を確保する必要。

経済成長及び回復の中心にあるのは、グリーン及びデジタル分野での変革。

重要鉱物及び半導体のような分野で、サプライチェーンの強靱性に係るリスクに対処するためのメカニズムを検討し、ベスト・プラクティスを共有。

国際課税について、G7の歴史的なコミットメントを承認。7月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での合意を期待。

【自由で公正な貿易】

農業や衣類部門などにおける、国家により行われるものを含むあらゆる形態の強制労働について懸念。G7貿易相に対し、協力のあり方の特定を指示。

不公正な慣行から保護するためのルールの強化、交渉機能及び紛争解決制度の適切な機能を含め、世界貿易機関(WTO)において、より広範な加盟国と協働。

【将来的な先端領域】

開かれた社会を支えグローバルな課題に対処する上での技術の役割を議論する「未来技術フォーラム」を開催。

データ保護の課題に対処しながら価値あるデータ主導型技術の潜在力を活用するため、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)ロードマップを承認。

身代金目的のサイバー攻撃(ランサムウェア)の犯罪ネットワークによる脅威の高まりに緊急に対処。

科学、技術、工学及び数学(STEM)の分野で、女性と女児のさらなる参画を推進。開かれた相互主義的な研究協力のためのG7「研究協約」を採択。

【気候変動・環境】

▼総論

遅くとも2050年までのネット・ゼロ目標及び各国がそれに沿って引き上げた2030年目標にコミット。国内電力システムを2030年代に最大限脱炭素化。

▼化石燃料・石炭火力

国際的な炭素密度の高い化石燃料エネルギーに対する政府による新規の直接支援を、限られた例外を除き、可能な限り早期にフェーズアウト。

国内的に、NDC及びネット・ゼロのコミットメントと整合的な形で、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電からの移行をさらに加速させる技術や政策の急速な拡大。

排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援を年内に終了することに今コミット。

▼気候資金

途上国支援のため、2025年までの国際的な公的気候資金全体の増加及び改善に各国がコミット。

▼生物多様性

2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させるという世界的な任務を支える「G7・2030年自然協約」を採択。

同協約に基づき、国内の状況に応じて、2030年までにG7各国の陸地及び海洋の少なくとも30%を保全又は保護することや、海洋プラスチックごみへの取り組み強化などにコミット。

【ジェンダー平等】

2026年までに、低・低中所得国において4000万人の女子の就学、2000万人の女子が10歳または初等教育修了までに読解力習得。

教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)に対し、G7として、今後5年間で計27億ドルをプレッジすることを発表。

【グローバルな責任及び国際的な行動】

中国

非市場志向の政策や慣行に対処するための共同のアプローチについてG7で引き続き協議。

気候変動、生物多様性をはじめとした共通の地球規模課題について協力。

特に新疆や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するよう中国に求めることを含め、G7の価値を推進していく。

▼北朝鮮

朝鮮半島の完全な非核化並びに全ての関連する国連安保理決議に従った北朝鮮の違法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画の検証可能かつ不可逆的な放棄を求める。

全ての国に対し、関連する全ての国連安保理決議及びこれら決議に関連する制裁の完全な履行を求める。

北朝鮮に対し、全ての人々の人権を尊重し、拉致問題を即時に解決することを改めて求める。

▼ミャンマー

ミャンマーにおけるクーデター及び治安部隊による暴力を最も強い言葉で非難。拘束された人々の即時解放を求める。

東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心的役割を想起しつつ、「5つのコンセンサス」を歓迎し、迅速な履行を求める。必要な場合はG7が結束して追加的措置を検討することを強調。

人道状況を深く懸念。

▼インド太平洋

包摂的で、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性を改めて表明。

台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。

東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き深刻に懸念し、現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する。

▼ロシア

ロシアとの安定した予測可能な関係への関心を改めて表明し、相互利益となる分野がある場合には引き続き関与していく。ロシアに対して、不安定化を招く行動や悪意のある活動を止め、国際的な人権に関する自らの義務を果たすよう改めて求める。

▼食料安全保障

G20、国連食料システムサミット、COP26及び東京栄養サミットにおける食料・栄養に関する強いコミットメントを奨励。

▼開発金融

発展途上国のインフラのニーズを満たし、より良い回復を図るため、発展途上国との連携を強化することで一致。具体的な方策を検討するため、タスクフォースを設立し、今秋に報告を求める。

持続可能な回復・成長を支援するため、G7の開発金融機関(DFIs)及び国際機関がアフリカの民間部門に今後5年間で少なくとも800億ドルを投資することを確認。

G20及びパリクラブの債務措置の実施につきコミットメントを改めて強調。

公正で開かれた貸付慣行を支持するとともに、全ての債権者がこの慣行を順守することを求める。

6500億ドルのSDR(IMFの特別引き出し権)の新規配分を支持。

SDRを融通する様々な選択肢を探求し、世界合計で1000億ドルという野心に達するとの目標に向け、G7財務相・中央銀行総裁に詳細の検討を指示。

【結語】

新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020年東京五輪・パラリンピック競技大会を開催することを改めて支持。

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