米海兵隊、沖縄に即応部隊 対中国で抑止力向上
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米海兵隊は2025年までに沖縄県に駐留する第12海兵連隊を第12海兵沿岸連隊(MLR)に改編する。有事に即応し、南西諸島の離島に部隊を分散展開する能力をつける。台湾周辺などで軍事的圧力を強める中国を念頭に日米の抑止力を高める。

米政府が11日(日本時間12日)に開いた日米の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で明かした。島しょ部に速やかに入って前線の拠点を整える作戦構想「EABO(機動展開前進基地作戦)」を実行する。
米海兵隊はMLRを3つ設ける予定で、ハワイに次いで編成する。高機動ロケット砲システム「ハイマース」などに代わり、対艦ミサイルや対空ミサイルを備える。
陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長は12日の記者会見で「島しょ防衛での日米の能力強化に極めて有効な方向に変わる」と話した。「対艦ミサイルが配備されると、陸自の地対艦誘導弾の部隊と連携しやすくなる」と説いた。
陸自は南西諸島で奄美大島や宮古島に続いて、23年に新設する石垣島の駐屯地にもミサイル部隊を置く計画だ。
沖縄全体での海兵隊の規模は変わらない。松野博一官房長官は12日の記者会見で「沖縄の負担軽減に最大限配慮している」と述べた。