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原発「来夏以降さらなる再稼働が重要」 西村経産相

(更新)

西村康稔経済産業相は12日、日本経済新聞社などのインタビューに答えた。原子力発電所の活用を巡り「来夏以降の電力安定供給の確保に向けて原発のさらなる再稼働が重要だ」と強調した。現状で再稼働が見込めていない原発の運転にも意欲を示した。再稼働に向けた地元同意に向けて「国も前面に立って理解、協力を得られるように粘り強く取り組む」と述べた。

国内に原発は33基ある。25基が再稼働を国に申請し、17基が原子力規制委員会の安全審査を通過した。うち10基は地元の同意も得ていったんは再稼働し、現在は7基が運転している。政府は冬に向けて稼働を9基まで増やす方針を示している。

西村氏の発言は、安全審査を通過しても自治体の同意を得られないといった理由で再稼働に至っていない7基や、審査で合格していない原発も稼働させる必要があるとの認識を示したものだ。

東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に関しては「当然、一定の規模を持つ柏崎刈羽の再稼働も重要だ」と指摘した。東電には「抜本的な組織改革に真摯に取り組んでもらいたい。地域、社会からの信頼回復に全力を挙げて取り組んでもらいたい」と求めた。

同原発では2021年にIDカードの不正な利用や侵入検知装置の不具合などの不祥事が相次いで判明し、規制委が核燃料の移動を禁止し、事実上、運転できない。不祥事の検査結果がまとまり、地元の同意を得るまで再稼働の行方は見通せない状況だ。

足元の電力需給に関しては「この夏は安定供給を確保できる見通しが立っているが、冬に向けては厳しい見通しがある」と説明した。原発の運転再開と休止中の火力発電所を着実に稼働させることで「見通しも改善されてきている」との認識を示した。

電力の需要に対する供給余力を示す「予備率」は23年1月に東京電力ホールディングスと東北電力の管内で1.5%、中部電力から九州電力まで6電力管内で1.9%。安定供給に不可欠とされる3%を下回る。

小型モジュール炉(SMR)などの次世代の原子力発電所のあり方についても言及した。「研究開発、人材育成、原子力サプライチェーンの維持強化など将来を見据えた取り組みもしっかり進めたい」と述べた。一方で新増設は「想定していない」と従来の政府方針を引き継いだ。

経済産業省の審議会は9日に次世代原発の技術開発に関する工程表案をまとめ、安全性を高めた改良型の軽水炉は30年代に商業運転を始める目標を盛り込んだ。新設や建て替えはしないという現状の政府方針と矛盾する部分があり、実現には政治判断が必要になる。

日本企業が権益を持つ極東の資源開発事業「サハリン1」と「サハリン2」に関して「権益を維持する方針に変わりはない」と話した。

ロシア政府はサハリン2を巡り、大統領令に基づいて新しい運営会社を設立した。同事業に出資する三井物産三菱商事は新会社への出資を継続するかどうか9月上旬までに決める必要がある。西村氏は「それぞれ意思疎通を図りながら具体的な対応を検討していきたい」と語った。もともとの運営会社には三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資している。

次世代半導体の拠点、秋にも枠組み


西村康稔経済産業相は日本経済新聞社などのインタビューで、日本国内に新たにつくる次世代半導体の研究開発拠点の運営主体などの枠組みを秋にも決定する方針を示した。サプライチェーン(供給網)を確立するため、米国にとどまらず欧州や台湾などとも連携する意向も表明した。
日米両政府は次世代半導体の開発・量産に向けて協力すると合意し、2025年にも国内で量産できる体制の整備を目指している。まず設ける研究拠点には理化学研究所や東京大学などが参画し、回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル相当の先端半導体を開発する想定だ。秋までに参画する日本企業などの枠組みの詳細を詰める。
西村氏は「研究組織の大きな方向性については関係者と議論を進めており、法人格(をどうするか)など、秋ごろをメドに決定したい」と述べた。「国際的な共同開発を見据えて国内の英知を結集する。有志国の国際共同研究のハブとしていく」とも言明した。
東芝の株式非公開化を含む再編にも言及した。官民ファンドで経産省が所管する産業革新投資機構(JIC)と国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)の陣営が2次入札に進み、正式な提案を出すか検討を進めている。
西村氏は「単に非公開化による私企業の経営の円滑化のみを目的に投資することはできない」と述べた。新事業の創出や事業再編の促進といった政策目的が達成される場合に投資がなされるべきだとの見方を示した。
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