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新区割り案、自民地盤で選挙区減 党内の調整難航

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政府は衆院選挙区割りの改定案勧告を受け、秋に開く臨時国会で公職選挙法改正案を提出する方針だ。成立すればその後の衆院選で適用される。定数が減るのは自民党が地盤とする選挙区が多いため党内調整は難航する見通しだ。

岸田文雄首相は16日、首相官邸で記者団に「勧告に基づいて必要な法制上の措置を粛々と進めていきたい」と語った。

選挙区が減る県のうち滋賀、山口、愛媛、岡山4県は自民党が全選挙区の議席を占める。各県で1議席ずつ減るため、それぞれ現職議員のうち1人が出馬する選挙区がなくなる。

山口県は安倍晋三元首相、林芳正外相、岸信夫防衛相、高村正大財務政務官がひしめく。改定案で安倍氏の地盤である下関市は新3区、林氏が票田とする宇部市は新1区になった。新2区は岸氏の選挙区と高村氏の選挙区の一部が合わさった。

それぞれが強みを持つ選挙区から出馬しようとすれば、高村氏が岸氏か林氏と公認を争うなどの事態になる。

選挙区数が3から2に変わる和歌山県は二階俊博元幹事長、石田真敏元総務相がいるところへ世耕弘成参院幹事長が衆院くら替えに意欲を示す。

こうした選挙区の調整を巡っては特定の1人を比例単独候補に回す案や、2人を選挙区と比例単独で交互に処遇する「コスタリカ方式」の導入案なども取り沙汰される。自らの選挙区を積極的に手放す議員はまれで、妙案はないのが実態だ。

選挙区が25から30に増える東京はほとんどの選挙区に変更が生じる。長年かけて有権者との関係を構築してきた票田が別の選挙区に移る懸念もあれば、新たな選挙区で出馬機会が生まれることを歓迎する声もある。

今回の区割り案は初めて「アダムズ方式」でつくった。人口比が定数に反映されやすい。従来は各都道府県にまず1議席を割り振り、残りを人口比で配分する「1人別枠方式」だった。人口が少なくても選挙区が割り当てられ「1票の格差」が大きくなりがちだ。

改善を迫られた衆院が海外の制度を検討し、選んだのがアダムズ方式だった。自民党などの議員立法で採用を決めた。

地方の選挙区が減ることへの抵抗はある。自民党出身の細田博之衆院議長はかねて配分の見直しを主張している。

二階氏は和歌山県の選挙区減に関し「決められたことには従うべきだ」と受け入れる声明を出した。そのうえで「地方の声が国政に届きにくくなる点は、選挙制度のあり方を問題提起しなければならない」とも記した。

立憲民主党の泉健太代表は「速やかに参院選後の国会で成立されるべきだ」と勧告に沿った法改正が必要だと訴えた。

公明党の石井啓一幹事長は議席が増える地域について「公明党としては挑戦をしていきたい」とコメントを発表した。

国民民主党は声明で「比例復活のあり方を含め現行制度の抜本的見直しの議論を早急に始めるべきだ」と指摘した。

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