安全保障上重要な土地、候補58カ所選定 規制法施行後初
政府は11日、安全保障上重要な土地の利用を規制する重要土地利用規制法に基づく「土地等利用状況審議会」を開いた。規制区域の候補地を施行後初めて選んだ。
第1弾として無人の国境離島など北海道、青森、東京、島根、長崎の5都道県の58カ所を示した。地方自治体に意見を聞き年内の指定を目指す。

島根県の沖ノ島や長崎県の男島など無人の国境離島のほか、島根県の自衛隊出雲駐屯地といった場所を候補に選定した。
審議会では区域指定の基本的な考え方も議論した。関連する施設が複数の敷地に分かれている場合はそれぞれ指定する。無人の国境離島は全域を対象に定める。
政府は2024年秋ごろまでに5回ほどに分けて600カ所程度を指定する見通しだ。高市早苗経済安全保障相は11日の記者会見で「審議会の意見を踏まえ区域指定に向けて作業を加速する」と述べた。
同法は防衛施設や原子力関連施設の周辺などを注視区域・特別注視区域にする。区域内で妨害電波の発射などを確認した場合、中止を勧告・命令できる。特別注視区域内での一定面積以上の土地の売買には、氏名や利用目的などの事前の届け出を義務付ける。