自公が相互推薦で基本合意 参院選、幹事長会談で決着

自民党の茂木敏充、公明党の石井啓一両幹事長らは11日、国会内で会談した。夏の参院選で選挙区の公認候補を互いに推薦すると基本的に合意した。調整が難航していた相互推薦の問題が事実上、決着した。相互推薦のための協定書は結ばない。
自民党の遠藤利明、公明党の高木陽介両選挙対策委員長が同席した。会談後、茂木氏は記者団に相互推薦について「合意した」と述べた。石井氏も「正式な政党間の合意だ」と語った。
自民党は3月中にも埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡の5選挙区で公明党候補への推薦を決める。いずれも自公がともに候補を出す選挙区だ。
公明党は独自の候補を立てていない32の1人区など計38選挙区で自民党候補の推薦を調整する。自公の地方組織同士で話し合い、推薦について合意するのが条件になる。
自公は2016年と19年の参院選でそれぞれ党本部同士による相互推薦の協定書を結んだ。選挙区の候補を推薦し合い、双方の支持団体などによる得票を上積みする狙いがあった。

今回の調整は難航した。公明党が自民党に21年末までに推薦を決めるよう求めたものの、自民党は地方組織との調整などを理由に先送りしたからだ。不満を強めた公明党は相互推薦を巡る自民党との協議に応じない方針に転じた。
事態が動いたのは岸田文雄首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表による10日の党首会談だ。相互推薦を含む自公の参院選協力を巡り、それぞれの幹事長と選対委員長に調整を急ぐよう指示すると確かめた。
茂木氏は11日、相互推薦の協定書について「必要はないと幹事長・選対委員長間で一致した」と話した。理由は「すでに党首間で大きな合意をした」などと説明した。
自公は12日に全国の地方組織の代表者を集めた会合をそれぞれ開く。自民党は13日に年に1度の党大会を控え、山口氏も出席する。石井氏は記者団に「選挙協力の懸念や課題が整理されたのは大きかった」と指摘した。

2022年夏の参議院選挙(6月22日公示・7月10日投開票)は岸田文雄首相にとって事実上、初めて政権運営の実績が評価される場となります。ニュースや解説、各党の公約、候補者情報などをお伝えします。