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自民公約、党内主張寄せ集め 防衛費「GDP比2%念頭」

コロナ・経済安保で法整備、夫婦別姓は原案修正

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自民党は12日、衆院選の公約を発表した。新型コロナウイルス対策を巡る政府権限の強化や経済安全保障の拡充に向けた法整備などを書き込んだ。岸田文雄首相だけでなく甘利明幹事長や高市早苗政調会長らが訴える政策の集合体となった。金額や期限などの明示は乏しかった。

首相が重視する「成長と分配」は賃上げした企業への税優遇や児童手当の強化などを列挙した。長期的な視点の経営を促すため企業の「四半期開示」の見直しも盛った。

「令和版所得倍増」や金融所得課税の見直しは入らなかった。子育て世帯の住居費支援も直接の記載はなかった。

高市氏は記者会見で、総裁選に出馬した4候補に言及し「4人とも合意を得たものを(部会長に)みてもらい、党をあげて実現できることを示した」と説明した。

成長戦略は高市氏の看板政策である「危機管理投資」を採用した。「創薬力の強化」や防災へのインフラ投資を挙げた。

甘利氏が注力する経済安保は独立した章を立て、重要技術の流出を防ぐ「経済安全保障推進法」の制定を唱えた。企業に戦略物資の国内生産を促す税財政支援を入れた。

安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の3本柱である①金融緩和②機動的な財政出動③成長戦略――に関して「総動員して成長軌道に乗せる」とも言明した。

新型コロナ対策は菅義偉前政権からの問題意識を引き継いだ。病床確保や人流抑制へ「行政がより強い権限を持てるための法改正」を掲げた。

保守派への意識もうかがえる。ミサイル防衛で「相手領域内で弾道ミサイル等を阻止する能力の保有を含めて、抑止力を向上させる」と記した。相手の発射拠点をたたく「敵基地攻撃能力」の保有が選択肢になり得る。

これまで国内総生産(GDP)比1%以内が目安だった防衛費は「GDP比2%以上も念頭に増額を目指す」と書いた。

台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)加盟申請は「歓迎」を表明した。選択的夫婦別姓に関し原案の「具体的な制度のあり方についてさらに検討を進める」との文言は削った。「氏を改めることによる不利益をさらに解消」との表現は残した。

首相は公明党の公約である「18歳以下への一律10万円給付」にも前向きな意向を示す。与党内の各種政策を採り入れる構えだが、具体策は選挙後になる見通しだ。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは経済政策について「規模感が不明確で踏み込み不足ととられかねない」と指摘する。

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