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岸田首相、人への投資「第1の柱」  官民で学び直し支援

日経リスキリングサミット

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岸田文雄首相は12日、働く人の学び直し(リスキリング)の重要性を考えるシンポジウム「日経リスキリングサミット」(日本経済新聞社・日経BP主催)に出席する。冒頭にビデオメッセージを寄せ、人への投資を首相が掲げる「新しい資本主義」の「第1の柱」と強調した。官民で連携し、学び直しへの積極的な取り組みを呼びかけた。

首相は「人への投資を企業経営の中核に据え、リスキリングへの取り組みを進めてもらいたい」と述べた。日経リスキリングサミットが「官民をあげた人への投資の促進のための大きなきっかけとなる」との期待も語った。

政府の支援策として、これまで3年で4000億円としてきた人への投資関連の政策を5年で1兆円に拡充する方針を改めて説明した。

リスキリングの必要性では「非連続なイノベーションの実現、長年にわたり大きな賃上げが実現しないという構造的な課題に対応するためにはリスキリングがカギになる」と指摘した。

リスキリングは企業などの働き手が市場のニーズに対応できるよう新たなスキルを身につけることを指す。デジタル化の急速な進展で既存の技能が通用しなくなっても、リスキリングを通じて得た技術で新たな職場へ移りやすくなる効果を期待する。

スキルの高い人材に成長産業への円滑な労働移動を促し、持続的な賃上げとともに社会全体の生産性の向上につなげる狙いがある。

首相はビデオメッセージで賃上げに向けた好循環を機能させるには「リスキリングと労働移動の円滑化を両輪で進めていかないといけない」と話した。

首相は3日の所信表明演説でリスキリングへの公的支援など、人への投資に5年で1兆円を投じると明らかにした。「賃上げと労働移動の円滑化、人への投資という3つの課題の一体的改革を進める」とも訴えた。

デジタル化により多くの企業で新たな成長のために社員の学び直しが急務となっている。それでもリスキリングを通じて競争力を引き上げようという意識はまだ高くない。

パーソル総合研究所が5月に実施した20~59歳の正社員3000人への調査によると、新しいスキルや知らない領域の知識を学ぶ「一般的なリスキリング経験」のある人は3割前後にとどまった。

首相は日経リスキリングサミットで、国だけでなく企業側からも学び直しを促進するよう求める。12日午後には企業の幹部らと車座での座談会に臨み、学び直しの機会拡大策について話し合う予定だ。

座談会にはSOMPOホールディングスの原伸一執行役専務、ベネッセコーポレーションの藤井雅徳執行役員、ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明代表理事が参加する。

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