政府・日銀「急速な円安憂慮」 3者会合で声明文公表

財務省と金融庁、日銀は10日、国際金融資本市場に関する情報交換会合を開いた。足元の為替相場について「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」との声明文を出した。財務省によると、3者会合で声明文を公表するのは初めて。
10日の東京外国為替市場で、円相場は一時1ドル=134円台とおよそ20年ぶりの円安・ドル高水準に下落した。声明文は「為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であり、急速な変動は望ましくない」と指摘した。
政府と日銀は「緊密に連携しつつ、為替市場の動向やその経済・物価などへの影響を、一層の緊張感を持って注視していく」と明記した。主要7カ国(G7)での合意を踏まえて「各国通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、必要な場合には適切な対応をとる」と盛り込んだ。
財務省の神田真人財務官、金融庁の中島淳一長官、日銀の内田真一理事らが10日午後4時から財務省で面会した。3者会合はロシアによるウクライナ侵攻で市場の混乱拡大が懸念された2月28日以来の開催となる。
神田氏は面会後、為替介入も念頭に「あらゆるものを含めて適切な対応をとる」との考えを記者団に示した。海外の通貨当局との協調介入も含まれるかを問われると「あらゆるオプションを念頭に置いて機動的に対応する」と説明した。一方で「いま、そういう局面にあるかは申し上げられない」とも話した。
神田氏は円相場の動向に関して「1日に何円も動いたりするのがファンダメンタルズに沿ったものかというと、そうではないという人が多いと思う」と述べた。
初めて声明をまとめた狙いについては「最近の過度な変動を憂慮し、その認識を確認、共有した。紙の形で3 者共同の考え方として示すのが適切だと考えた」と語った。
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