コロナ感染、全国25万人超 20道県で最多

新型コロナウイルスの新規感染者は10日、全国で約25万400人が確認された。3日の約24万9800人を上回り、過去最多を更新した。お盆休みなどによる移動や接触のさらなる増加が見込まれ、専門家は警戒を強めている。病床使用率は9日に39都府県で5割以上となるなど全国的に上昇傾向で、医療体制は厳しい状況が続く見込みだ。
新規感染者は10日、青森や岩手、鳥取、高知など地方を中心に20道県で過去最多となった。東京都では3万4243人、大阪府では2万3730人の感染が新たに確認された。
東京都が10日に開いた感染状況を検証するモニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「お盆で新規感染者数がどう変動するか注視する必要がある」と述べた。
都は18日までJR東京駅やバスタ新宿など6カ所に無料検査場を臨時で設けている。小池百合子知事は会議後、記者団に「帰省などで高齢者や基礎疾患のある人に会うときは事前に検査を受けてほしい」と呼びかけた。
全国では感染力の強い派生型「BA.5」が主流となっている。厚生労働省によると、直近1週間の新規感染者数は9日時点で前週の1.05倍になった。9日時点の重症者数は597人で、前の日から16人増えた。
古賀篤厚労副大臣は10日開いた専門家組織「アドバイザリーボード」の会合で「夏休みやお盆期間で接触増加が予想され、BA.5への置き換わりやワクチン3回目接種の効果減衰により新規感染者数の増加も懸念される」と述べた。

病床使用率は全国的に上昇傾向となっており、内閣官房の9日時点の集計では神奈川県が98%、静岡県が83%に達している。重症者向けの病床は東京都(65%)以外では5割未満にとどまる。
全国の死者数は9日に250人と、前日から88人増えている。アドバイザリーボードは「死亡者は第6波のピークに近いレベルまで急上昇しており、今後さらに増加することが懸念される」と分析した。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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